本コラムは日本実業出版社が発行、エヌ・ジェイ出版販売株式会社が販売する企業向け直販月刊誌「企業実務」内に掲載されているコラムを転載したものです。
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2018/06/28 13:51
企業の経理・総務担当者が職場で直面する、規定集・法規集などに答えが見当たらない疑問、状況がレアケースすぎてそのまま規定を当てはめていいのかどうか迷う悩みに、プロの実務家・専門家が答えます!
※本コラムの内容について※
本コラムは、月刊「企業実務」内で連載されている同名の連載を再編集したものであり、関連法規・規定等については公開時点のものに準拠しています。
飲食店を経営しています。人手不足の折、人材確保策の一環として、今後、従業員に食事を支給することを考えています。まかないの現物給与はいくらで計算したらよいですか。
使用者が従業員に対して支給する食事(残業または宿日直をした人に支給する食事を除きます)に対する現物給与は、次のように計算します。
この場合、自社で調理した食事の価額は主食、副食、調味料等に要する直接費の額により評価することになります。なお、残業や宿日直をした従業員に支給する食事については、通常の勤務時間外としてこれらの勤務を行なった従業員に支給するものである限り、課税の対象とされません。
また、会社の負担額が3,500円を超えるかどうかは、その食事の価額から、従業員の負担した金額を差し引いた後の残額に108分の100を乗じた金額(10円未満の端数切捨て)により判定します。所得税の課税の対象とされないためには、たとえばその月中に支給した食事の価額を各人ごとに記録しておくことがポイントです。
給料日にその価額の合計額の50%(合計額が7,000円を超えるときは、その合計額から3,500円を控除した残額)以上の金額を徴収すれば、給与として課税されることはありません。(企業実務 16年9月号より転載)
鈴木宏昌税理士事務所代表。大手会計事務所を経て独立。顧問先の税務相談に対応するほか、経理業務におけるクラウドサービスなど、IT技術活用にも詳しい。
従業員40名の部品メーカーの総務課長です。先日採用した新人をどう育てたらよいか困っています。「これをやってくれ」と指示をすればそのとおりに動くのですが、自分から仕事を探す、といった姿勢がみられません。
いまの新人は細かく指示を受けて育った世代ですから、ひとりでに育つことはありません。中小企業だとおそらく1つ上の先輩といった兄貴分・姉貴分にあたる指導役はいないでしょうから、職場全体で育てようとすることが大切です。
指示したことしかできない理由に、全体の流れがわからないなかで下手に手を出すとかえって迷惑をかけてしまうのではないか、という意識がその新人にはあるのかもしれません。「一人前になるとはどういうことか」という全体像を示しつつ、そのなかで何をやってほしいのか、具体的に指示します。
そして、小さなことでもできたら職場全体で褒める、認めることが大事です。小さな「承認」という報酬を重ねていくと、次第に自分ができなかったことができるようになっていきます。そのためには、任せる仕事にはどんな前工程と後工程があるのか、全体の流れを教えることが大切です。
工程の流れがみえると、何を手伝ったらよいのかもわかってきます。わかることの面白さが感じられれば、よりわかるために先輩を手伝おうとする主体性や積極性が生まれると思います。
また、マネジャーは1日の終わりの5分は新人のために使いましょう。きょう何ができたかの振返りと、明日何ができるようにするかの目標設定を行ない、自発的な行動を促すとよいでしょう。(企業実務 16年9月号より転載)
株式会社テラ・コーポレーション代表取締役。生命保険相互会社、経営コンサルティング団体を経て独立。組織・人事面を中心とした経営コンサルティングと教育研修を手掛ける。