意図的に会話を止める
少し強引ではありますが、「すぐに返事をしない」という方法は効果的です。チャットが雑談のようになってきたら、一旦返事をやめて放置してしまうのです。
感じの悪い対応だと思われるかもしれません。しかし、どうしても答えがほしい、もしくは今すぐにでも話したい内容なら、相手は返事を待ってでも会話を続けるはずですし、電話や口頭など別の手段で伝えようとしてくるはずです。
逆に、たとえば3分間放置した程度で相手が会話をあきらめるようなら、その話題は「それまでのもの」ということ。
このように意図的に会話のキャッチボールを止めることで、「返事が返ってくるからこそ続いてしまう雑談」「重要性の低い話題に関するやりとり」をストップさせることができます。
もし返事をせず放置するのに気がとがめるなら、一言「すいません。ちょっと急な用事が入りました」と打ち込んでチャットを閉じてしまってもよいでしょう。
どうしても話したければ「口頭」に切り替える
とはいえ、「Why/What」が明確でなくても、どうしても今すぐ話したい雑談や、話している中で盛り上がってしまった話題もあるでしょう。意識していても、ついつい「そういえば……」と横道にそれてしまうものです。
そんなとき、「会話の目的・ゴールから逸脱しているから」と会話を機械的に打ち切るのはよくありません。長期的な信頼関係、人間関係に響き、結果的に仕事のコミュニケーション効率を下げてしまうからです。
そのような場合は、可能であれば「口頭」に切り替えましょう。チャットで文字を打つより口で言うほうが早いので、会話も短い時間で終わらせられます。
たとえば、
・「ちょっと休憩室で話さない?」
・「話がこみいってきたからタバコいこう」
というように、今すぐ別の場所に誘う方法が有効です。
またTPOが許すのであれば、
・「この話はちゃんとしたいので、14時から会議室を取りますね」
・「なんか大変そうだし、今日飲みに行く?」
など、別途話す時間を取るのも良いでしょう。
チャットと口頭の使い分け
最後に、忘れてはいけないのが、チャットでは済まない、済ませてはいけないものもあるということです。たとえば、
・メールを使うことがルール化されているもの(正式な承認など)
・やりとりの証跡を確実に残すべきもの(証拠になりうる発言など)
などです。
とくに2点目、「証拠になりうる発言」については気をつけないとトラブルの原因になるので、注意が必要です。
Skypeなど一部のチャットソフトでは、デフォルトで会話履歴が保存されない設定になっているため、チャットウィンドウを閉じた瞬間に会話履歴が消えてしまいます。
SlackのようなWebベースのチャットサービスでは、プランによっては保存されるメッセージ数の上限が定められており、それ以上のメッセージはすべて自動削除されてしまします。
あとあと「言った・言わない」の水掛け論になりそうな話題については、チャットや口頭ではなく、確実に証跡が残るメールを使うようにしましょう。
成果につながらないチャットは断捨離する
・「Why/What」を明らかにする&させる
・意図的に会話を止める
・どうしても話したければ「口頭」に切り替える
以上3つのポイントを意識すると、「チャットまみれ」による無駄の多くを断捨離できるでしょう。
チャットは気軽に使えるため会話の機会を増やしますが、往々にして雑談に発展しやすいもの。雑談チャットに忙殺(?)されては仕事が進みません。これは「無駄な会議に時間を費やしつつ仕事した気になっている」のと根本的には同じ構図です。
もちろん雑談は人間関係構築に役立つので必要ではありますが、程度を見極めて、ときには勇気を持って断捨離してしまうことを、強くおすすめします。
以上、「チャットまみれによる無駄を断捨離する」というテーマで最前線からお送りしました。