効率化マニアの外資系コンサルが教える! 無駄な時間をゼロにする「時間の断捨離」最前線<第2回>
現役外資系コンサルとして膨大な仕事を最少の時間でこなしつつ、月間10万PVブログ「NAEの仕事効率化ノート」も運営するNAEさんに、ビジネスの現場で役に立つ時短術のコツを教わります。今回は、気軽にコミュニケーションの手段として使われている「チャット」の無駄を断捨離する方法について。
チャットしていたらいつのまにか30分……?
前回の連載記事「メール作成の無駄を断捨離する」では、チャットを活用すれば効率的にコミュニケーションをとれる、というお話をしました。
チャットなんて使ってるの……? と思われる方もいるかもしれません。最近では社内に限らず、社外の人とチャットしながら仕事を進める企業も増えてきています。
実際私もこれまで、お客様の主催するグループチャットに参加したことがあります。またブログ運営で「NAE」として活動する際は、Slackというチャットサービスを使って企業の方とやりとりしています(本連載の編集担当の方とのやりとりも、ほぼすべてSlackです)。
そんな便利なチャットですが、チャットだからこそ発生する「無駄」があるのです。チャットは手軽であるがゆえ、メッセージのやりとりがかえって増えて、本来は話す必要のないことまで話してしまう傾向にあります。
たとえば、
・少しだけ確認の質問をするつもりが、意外と盛り上がって話し込んでしまう
・次々にくるチャットへの対応に時間が取られ、いつのまにか30分も経っていた
など、「チャットまみれ」に陥ってしまう人も少なくないようです。
今回はこのような、チャットだからこそ発生する無駄を断捨離していきましょう。
「チャット=ミニ会議」と心得る
ポイントは、「チャット=ミニ会議」と心得ることにあります。
時間と場所を同じくする普通の「会議」の場合、資料の準備や議論の進め方の整理など、事前にきちんと段取りを考えるでしょう。しかし「チャット」の場合、その気軽さゆえなにも事前準備せずにとりあえず話しかけることが許されてしまいます。これが「チャットまみれ」のそもそもの原因です。
そこでチャットをミニ会議ととらえれば、会議であれば当たり前に行っている事前準備のポイントをチャットに取り込めます。
とはいえチャットと会議は全く性質が異なるもの。会議の事前準備ポイントをそのまま当てはめてもうまくいきません。チャット用にアレンジが必要です。
そこで、私のまわりのコンサルタントの間で暗黙的にルール化され、よく行われているコツを3つ、お伝えします。
「Why/What」を明らかにする&させる
チャットを始める前に、まず、会話の目的を明確にしましょう。ウィンドウに文字を打ち込む前に、「なぜ自分は今この会話をすべきなのか」「この会話によってなにを成し遂げたいのか」と自分に問いかけるのです。
これにより、
・チャットのゴールが明らかになり、不要な雑談チャットを抑制できる
・ゴールに一直線に向かうように意識が変わり、無駄なメッセージが減る
という効果が期待できます。
同じように、誰かからチャットで話しかけられたときも「この会話の目的・ゴールはなに?」と、それとなく問いかけましょう。
チャットは相手があるもの。自分から話しかけるときに加え、相手から話しかけられたときも「Why/What」を意識しなければ、「チャットまみれ」による無駄を断捨離しきれません。