人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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東尋坊の由来

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2018/03/12 14:21

三国に行ったら、近くの東尋坊を尋ねるのは必須だろう。三国駅からバスに10分ほど乗って東尋坊バス停で降り、土産物街を抜けると突如切り立った断崖の上に出る。日本海の荒波による海食で25mもの柱状節理の岩壁が続いており、これを上からのぞき込むのは圧巻だ。実際に行ったことがなくても、サスペンスドラマのラストで、この場所で自分語りを始める犯人の姿を見たことがある人も多いだろう。

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崖の階段を降りたところからは、海上から見物する遊覧船が出ている。この日は、見たところ海はおだやかなようにも見えたが、波があるということで欠航だった。

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ところで、こうした場所は「〇〇岬」「〇〇崎」「〇〇鼻」といった、海に突き出た場所であることを示す地名であることが多い。「東尋坊」というのは地名としてはかなり異質である。

「坊」とは僧侶の住んでいた場所のことで、そこから転じて僧侶そのものも「~坊」と言った。東尋坊の地名の由来にはいくつかの説があるようだが、一般的には勝山市の平泉寺にいた東尋坊という僧侶に由来するという説が知られている。

東尋坊は悪行を重ねていたこともあり、恋敵の僧侶によってこの崖の上に誘い出されて突き落とされた。そこから、この崖が東尋坊という名前になったという。

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