日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/03/05 13:52
週末、北前船の寄港地として栄えた三国湊を訪れた。以前は福井県坂井郡三国町という自治体だったが、平成大合併で郡内の他自治体と合併して、今では坂井市三国町となっている。
JR福井駅前から、女性車掌の乗車しているえちぜん鉄道三国芦原線に乗り、終点が三国港駅、その1つ手前が三国駅だ。三国駅の近くには、豪商岸名家の住宅や、森田銀行の本店跡がある。
岸名家は代々惣助と称した材木商で、この地域に特徴的な「かぐら建て」という町家。
また、明治時代の銀行は豪商が経営することが多く、森田銀行も三国湊を代表する廻船問屋だった森田家が明治27年に創業したもの。県内でも有力な銀行の1つに成長し、その後の地方銀行の集約で現在は福井銀行となっている。
こうした湊町には多くの文人も育ち、戦前から戦後にかけて活躍した作家高見順も三国の生まれ。ちなみに、作家永井荷風は高見順の従兄にあたり、馳浩衆議院議員は女婿である。
乗客のほとんどは三国駅で降りるが、終点の三国港駅は、かつて栄えていたことを偲ばせる広い構内を持っていた。駅を出て道を渡るとそこはもう海で、かつてはここから蝦夷地や大坂に直結していた。