日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/02/26 13:59
平昌五輪が最終日を迎えた25日、東京では東京マラソンが開催された。この大会で、先行する3人のケニア選手を追いかけ、40キロ手前から2人をかわして2位に入っただけではなく、2時間6分11秒という日本最高記録を樹立したのが、ホンダの設楽悠太選手だ。
16年振りの日本記録更新で見事1億円をゲットした。この、「設楽」と書いて「したら」と読む名字はやや難読だが、全国ランキングでは1500位あたりとごく普通の名字といえる。確かに、芸人バナナマンの設楽統や、サッカー横浜FC三浦知良選手の妻が旧姓設楽りさ子であるなど、意外と有名人にもみられる。
ただし、関東と東北南部に集中して他の地域には少ないことから、読めない人も多い。愛知県東部に北設楽郡、南設楽郡(平成大合併で消滅)という郡があり、ここが「設楽」のルーツ。
この付近は足利将軍家の一族の所領があるなど関係が深く、設楽一族も足利家に仕えて今の千葉県に領地をもらい、千葉県北部に広がった。戦国時代には近くから徳川家康が出たことから、設楽一族は家康に仕えて関東に移り住んだ。
このため、設楽一族はルーツの地である愛知県を離れて、関東地方で広がっている。とくに埼玉県の秩父地区に多く、設楽悠太は寄居町、設楽統は皆野町の生まれである。