日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2018/02/19 14:11
17日に羽生結弦、18日に小平奈緒と2日続けて平昌五輪で金メダルを獲得した。「羽生」と「小平」のルーツについては、過去にこの連載で書いているため、そちらを見ていただきたい。
さて、先日神戸で講演した際、終了後に御影の弓弦羽神社に行ってきた。すでに夕方だったうえに、昼過ぎから雪が降り始めてとても寒かったことや、五輪開催まではまだ日があったため人影はなかったが、この神社は羽生結弦の金メダルを祈願する人が多く訪れることで知られている。
「弓弦羽」という神社名が、羽生結弦の名前と似ていることからファンが訪れるようになったもので、2011年には本人も参拝したことから、現在では奉納される絵馬の7割が羽生結弦の活躍を祈願するものだというファンの「聖地」になっている。
そもそもこの神社の歴史は古く、1200年近い歴史がある。古代、神功皇后が三韓征伐からの帰途、忍熊王が挙兵したことを知り、この地で弓矢・甲冑を納めて熊野大神に戦勝を祈願。弓矢・甲冑を納めたことから、背後の山を「弓弦羽岳」「武庫山」と呼ぶようになった(のちに武庫山が六甲山となる)。
8世紀末にはこの付近が神領地となり、嘉祥2年(849)に熊野権現が創建、明治元年に現在の弓弦羽神社と改称された。また、この付近は日本酒の名産地と知られる灘五郷で、菊正宗、白鶴、剣菱など有名酒造メーカーが氏子となっている。