日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2017/09/25 10:21
歌手・安室奈美恵が来年の9月で引退すると発表し、話題になっている。ところで、この「安室」という名字、大多数の人は当然のように「あむろ」と読んでいるが、実は「あむろ」が多数というわけではない。
「安室」は、関東南部・兵庫県・沖縄県などに分布している。最も多いのが神奈川県の横浜市から相模原市にかけての地域で、ここではほぼ「やすむろ」である。次いで多い東京23区でも大多数が「やすむろ」。「室」とは古代の家や、山腹などに造られた何かを保存する場所のことを指す言葉だ。
3番目に多いのが沖縄県で、沖縄ではほぼ「あむろ」と読む。これは、ルーツとなった西原間切安室村(西原町)という地名が「あむろ」と読むからだ。現在も那覇市周辺に多い。
4番目に多い兵庫県の姫路市付近でも読み方は「やすむろ」。姫路市には播磨国飾磨郡安室(やすむろ)郷という古い地名があり、ここをルーツとしているため。つまり、「安室」を「あむろ」と読むのは沖縄限定の独特の読み方で、全国の「安室」さんの大多数は「やすむろ」である。
しかし、一人の有名人が出ると、本来難読の読み方が普通の読み方に変わってしまう。それだけ安室奈美恵がスターである、ということの証でもある。