日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2017/09/11 10:02
阿蘇神社に行った翌日、高千穂に向かった。まだ道路が不通となっているところも多く、多少遠回りをしたようだが、意外と近い場所にある。もちろん途中は山岳地帯で、今のように立派に道路がない時代は難渋したとは思われるが、高千穂自体が山間部にあるため、平地から山脈を越えて向こうに渡る、という感じではない。
高千穂は、天皇家の祖瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、高天原(たかまがはら)から日本に降り立ったところである(県南の高千穂峰という説もある)。
瓊瓊杵尊の子彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)から、神武天皇が東征するまでの三代が住んだ場所が高千穂宮といわれる。この高千穂宮が置かれたところに建立されたとされるのが高千穂神社だ。第二代垂仁天皇の時代には社殿が創建されたという古い神社だ。
境内には高千穂町指定天然記念物の秩父杉という木があった。源頼朝が天下泰平祈願のために畠山重忠を代参に派遣して多くの神宝を奉納した際に、重忠自らが植えたものという。重忠が武蔵国の秩父出身のため「秩父杉」と呼ばれている。
55mもの巨木で、重忠の時代から計算すると樹齢は800年を超える。そもそも、植えた年代がはっきりしている古木は珍しいのではないだろうか。