日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2017/07/31 11:38
さて、山上碑のすぐ隣には直径15mの山上古墳という円墳がある。山上古墳は多胡碑に刻まれている黒売刀自の墓所とみられているが、古墳自体は7世紀初期から中期頃のもので多胡碑より古いことから、もともとは黒売刀自の親の墓として造られ、後に黒売刀自が追葬されたと考えられている。
この時は、たまたま係員がいて古墳の横穴式石室に入らせてくれた。入るときに、軽い感じで「虫がいますよ」と言われたが、昆虫好きの私は「大丈夫です」と答えて懐中電灯を借り、腰をかがめて狭い横穴に入ってみた。
こじんまりとした円墳のためすぐに奥まで行きついたが、懐中電灯であたりを照らして驚いた。周囲の壁は、横穴から石室まですべてカマドウマで覆いつくされているのだ。中には重なっているところもあり、数えきれないカマドウマの大群に囲まれている石室は異様な光景だ。とくに体ギリギリの横穴をカマドウマに囲まれて進むのは、虫嫌いの人だと倒れかねない状況だった。
この日は、「古墳の石室に入る」「カマドウマの大群に囲まれる」という、貴重な体験をすることができた。