ガッカリの連続、“迷”幹事が開いた「史上最も残念な宴会」とは？

乾杯～、…料理は？(photo by hiroshi nomura/photoAC)

ならばと、店員さんに急いで料理を注文すると「本日あいにく混み合っておりますので料理の提供まで30分ほどお時間を頂戴します」といわれてしまいました。さらに、せめてお酒を楽しもうと部長の好きな芋焼酎を頼んでみると「飲み放題メニューにはございませんので対応できません」とのこと……。

さらに、「トイレやタバコの場所は？」とA君に聞いたところ、「わからないんで店員さんに聞いてください！」。結局全席“禁煙”で愛煙家の部長はタバコを吸えず残念そうです。「喫煙所で吸ってくるから」と部長は席を立ったものの、なんとビル全体が禁煙とのこと。お店がある9階から1階まで降りて、外で吸わないといけないというではありませんか。しかも外は雨……。

◆こうすればよかったのに……その1

適切な人に乾杯の挨拶を事前にお願いしておくことのは、最低限やっておくべきことです。当日に突然頼まれても、なかなか対応できるものではありません。

また、料理はよほどのことがない限りあらかじめコースで頼みましょう。さもないと、このグダグダケースのように、宴会の進行に大きな影響が出ることもあります。

それに、主賓の趣味や好みも事前にリサーチしておくべきでした。主賓や上長が喫煙者の場合、喫煙場所の確認も必須です。その場合、しっかりと喫煙場所が確保されているところを探しましょう。

ばたばたのお開きに……。寒空の下、途方にくれる

結局、料理が揃うまでに１時間。部長を労う話や昔話に華を咲かせる時間もあまりとれず……。お腹がすいている中、お酒だけを飲む時間が続きます。そして、ようやくメインの料理が届いた頃、店員さんからとどめの一言「まもなくラストオーダーとなります」

このピンチを打開しようと、部長が「よし、俺が支払うから時間を延長しよう」といってくれました。「いいですね！　部長ありがとうございます！」と、みんなが安堵の表情になったのもつかの間、店員さんが「事前に幹事さんにはお伝えしていたのですが、21時から後のお客様がお待ちでして……」と。

気がつけばお開きまであと5分。ここでA君は、大切なことを思い出します。「あ、今日は部長の壮行会なので、部長から一言どうぞ！」「え!?　え～と、みなさん、このたび……」なんとか言葉をもらったものの、事前に用意していたプレゼントを渡す時間がなくなり、

「時間がないのでプレゼントは明日お渡ししますね。部長、今までありがとうございました！　では解散しましょう！　あ、あと会費ください！　合計金額がわからないので、人数で割りますね。えーっと」とA君。

たまりかねた部長が一言、「せめて落ち着いたところで二次会をしようよ」と提案したところ、「あ、二次会はおさえてないので、近所を探してきますね！」とA君は勢いよく走りだしていきました。

雨の中、外で待ち続ける参加者たち。寒空と雨の中、グダグダ宴会を終えた参加者達に冷たい風が吹きつけます。

◆こうすればよかったのに……その2

進行スケジュールは概略で作成しておき、幹事がコントロールをするのが当然です。また主賓と参加者双方に喜んでもらうために、「宴会の目的」を明確にし、主賓の挨拶やプレゼントを渡す時間はきちんと確保する必要があります。

さらに、会費は事前に設定し、最終的な精算も迅速に行なうようにすればよかったですね。

翌日A君だけが、何事もなかったかの様な日常

「おはようございます！　昨日は時間も待ちましたし食事あまりおいしくなかったですね～。また飲みに行きましょう」

本日もA君は絶好調です。穏やかで優しい部長は、そんなA君の「グダグダ宴会」を「ご愛嬌」として許し、新天地へと異動していきました。

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さて、いかがでしたか？

住所が間違っていた、スタートが遅れる、会場がせまい、料理が遅い、などなど「残念なグダグダ宴会」にはいろんな要因がありました。

あなたがこの宴会参加者なら、今後A君に幹事を頼みたいと思いますか？

「こんな宴会、ないでしょ！」と思う人もいますよね。しかし今回のような宴会、実は日常茶飯事です。また、全ての「グダグダ」はないにしても、1つか2つ、「自分ももしかしたらやっちゃうかも」という項目もあったのではないでしょうか？

せっかくの貴重な宴会を「グダグダ」で終わらせてしまうのはもったいないですよね。この連載のバックナンバーからも幹事のノウハウを手に入れて、「参加してよかった」といってもらえる宴会を開いてください。

今夜も世の中に最高の宴会が増えていきますように。以上、カワちゃんでした。