日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2017/04/10 13:14
8日(木)から始まったNHK「日本人のおなまえっ!」は、「さいとう」の「さい」の85種類の書き方が話題になっていた。ただし、85種類というのはこの会社で担当した分のみ。他社分も合わせると100種類近くなるかもしれない。
しかし、ここに登場した「さい」の字の多くは、異体字や別漢字というよりは、単純な書き間違いや書き癖がほとんど。意識して別の字体にしたものは少ないとみられ、現在では本人の了解を得たうえで正しい漢字に集約されている。
こうした漢字が記載されている戸籍が生まれたのは明治初頭。当時は漢字の識字率は低く、届け出た人も記載した人も、難しい漢字に対して細かな部分まで正しく把握できていたかどうかは疑問だ。そもそも、各地方の村役場の戸籍係の役人が、自分の書いた字の長さや点の位置などが、将来にわたって金科玉条のように尊重されるとは夢にも思わなかったに違いない。
江戸時代、庶民にも名字があり、公的には使用できなかったものの墓石などには使っていた。ただし、彫っている文字をみると、一族でも「島」「嶋」「嶌」が混在しているなど、多少の字体の違いはあまり気にしていないようにみえる。