人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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選抜第1回大会の跡地

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2017/03/27 09:01

今年も高校野球のセンバツ大会が始まった。センバツが始まったのは、夏の大会よりも10年遅い1924年。今年の大会は第89回である。実は、センバツの第1回大会は名古屋で開催された。先日、その跡地を訪れてみた。

大正時代末期、盛り上がる中等学校野球熱は、夏の選手権大会に加えてもう一つ新しい全国大会を開催しようという動きになり、毎日新聞が大毎野球団などの協力を得て、全国から地域にこだわらずに8校を選んで野球大会を開催することになった。

開催地を名古屋にしたのは、朝日新聞の主催する選手権大会が大阪開催であったことと、毎日新聞が新たに東海版を創設したことが重なって名古屋の八事球場に決まったという。

八事球場は1922年に山本権十郎によって作られた球場で山本球場ともいわれた。戦後、国鉄名古屋鉄道管理局が買収して国鉄八事球場となり、国鉄の民営化後はJR東海八事球場として使われていたが、老朽化により1990年に撤去された。跡地はマンションとなっており、かつての本塁付近に「八事球場メモリアルパーク」が設置されている。

第1回大会の開催された年には甲子園球場が完成、2回大会以降は舞台を甲子園に移して行われている。

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