日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/12/26 10:50
今年最後は、毎年恒例の来年の干支に因む名字について。
来年はトリ年。漢字では「酉」と書くが、さすがに「酉」のつく名字は少ない。そこで「鳥」のつく名字をみてみよう。
最も多いのは全国順位600位台の「鳥居」、次いで900位台の「白鳥(しらとり)」。「白鳥」は「しろとり」と読む名字も3000位台に入っている。以下、「鳥越」「羽鳥」「鳥羽」「鳥海」(とりうみ)「鳥山」「鳥井」と続き、普通の名字といえる5000位までに14個も入っている。
最多の「鳥居」は熊野の鈴木氏の一族といい、由来は神社にある鳥居だろう。以下の名字も地名由来のものが多く、「鳥」のつく名字には、鳥そのものに因むものは少なさそうだ。
では、鳥の種類別にみるとどうかというと、鷲と鷹が多い。5000位以内に「鷲見(すみ)」「鷲尾」「鷲野」「鷲田」「鷲津」と鷲が5つ、「鷹」も「鷹野」「鷹取」「小鷹」と3つ入っている一方、鳩や烏、雀といった、今ではよく目にする鳥は1つも入っていない。
名字が生まれたのは、鎌倉時代から戦国時代にかけてが中心。従って、名字に使われている言葉も当時の生活に密着したものが多く、当時身近な鳥は鷲や鷹だったのだろう。