人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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鴻巣付近を歩く(3) 川幅日本一

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2016/10/03 09:39

この何の変哲もない田園風景が「日本一」の一部?

鴻巣付近に面白い場所があった。

鴻巣駅から西に700mほど歩くと、荒川に架かる橋がある。この橋のたもとに「川幅日本一」という看板が立っているのだ。なんと、日本一川幅の広い川は、利根川でも信濃川でもなく、荒川だというのだ。

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説明板によると、正確にはこの橋の地点から上流に630m上ったところが日本一の地点らしいのだが、わかりやすいように橋の架かっている場所に「日本一」という看板を立てたらしい。その川幅は2,537mもあるというのだが、橋のたもとから見ただけでは、どこが川だかよくわからない。というのも、橋の下には道があり、電線があって車が走っている。そして、水の流れは全く見ることができない。

この付近には荒川の古い流れと新しい流れがあり、その間が広い遊水地となっている。「川幅」というのは、公式には通常水の流れている幅ではなく、土手から土手までの間を指すらしい。つまり、河川敷や遊水地も川幅のうちなのだ。

たもとの看板からしばらく橋を歩くと、やっと水の流れが見えてきた。通常ではごく普通の川くらいの幅しかないが、大雨が降ると、最大2.5kmの川幅になることが想定されているようだ。

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