日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/08/29 14:39
25日に放送されたNHK総合「古舘伊知郎の日本人のおなまえっ!」は、視聴率10.9%とまずまずの数字を記録した。
今回は前半を「鈴木」、後半を「東西南北の名字」と分けて構成されていたが、なにしろ司会の古舘さんのトークが面白すぎて、肝心の説明の部分がやや不足気味だったかもしれない。とくに「東西南北」の名字はわかりづらいところもあるので、簡単に補足しておきたい。
東西南北のつく名字には2種類ある。「西村」のように方角+地形の名字と、「東」「西」「南」「北」1字だけのものの2つで、実はこの2つは成り立ちが違うのだ。
方角+地形の名字は自然発生的に生まれたものが多く、番組内でも説明したように「西」と「北」のつくものが多い。ところが、方角1字のみの名字の場合は意識的につけたものが多い。多くは、領主や庄屋など地位の高い人が、分家や農民などに対して、自分から見てどちらに家があるかによってつけたものが中心で、「北」だけが少ない。
番組で紹介した石川県能美市の下開発集落は、庄屋が名付けたもので、こうした集落はかつては各地にあったと思われるが、現在まで完璧に残っているのはここくらいだろう。