日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/08/22 10:36
25日(木)19:30から、NHK総合で「古舘伊知郎の日本人のおなまえっ!」という特番が放送される。「報道ステーション」(テレビ朝日)を降板した古舘伊知郎が、それ以来初めての司会をNHKでつとめるというので話題になっているが、この番組に出演してきた。
「古舘」という名字については、すでに今年3月に書いているので、今回はアシスタントをつとめる桑子真帆アナの名字について書いてみたい。
「桑子」という名字は珍しいと感じる人が多いだろう。名字ランキングでは6000位台。群馬県・栃木県・埼玉県の県境付近と、愛知県岡崎市付近の2か所に集中している。
万葉集に「なかなかに 人とあらずは 桑子にも ならましものを 玉の緒ばかり」(作者未詳)とあるように、「桑子」とは、古語で蚕のことである。
愛知県岡崎市にはかつて桑子村という地名があり、付近には養蚕のための桑畑もあった。桑子村は、古くは桑蚕村とも書いたといい、ここがルーツ。
一方、北関東には「桑子」という地名は見つからないが、この地方もかつて養蚕の盛んな地域。桑子アナはこちらの出とのことで、養蚕に携わった人が「桑子」を名字として名乗ったものと考えられる。