日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/08/01 10:23
8月3日に行われる、内閣と党の改造人事で、先日サイクリング中の事故で入院した谷垣禎一幹事長にかわり、二階俊博総務会長が自民党幹事長に就任することになった、という報道があった。
この「二階」という名字は、全国順位では8000位台。どちらかというと珍しい名字である。とくに集中している地域もなく、鹿児島県から北海道まで広く分布している。二階総務会長の出身地は和歌山県の御坊市だが、和歌山県も「二階」は多くない。
これは、「二階」という名字のルーツが、特定の場所に由来するのではなく、「二階建ての建物」という一般的なものに由来しているからだ。
江戸時代以前、江戸や京、大坂といった大都市を除くと、建物は基本的に平屋で、二階建ての建物は珍しかった。地方で重層構造になっている建物は、お城や寺社など、ごく一部に限られていた。そのため、「二階」ということで、どの建物かを特定することができ、二階のある家に住んでいるというのは、かなり自慢できるものだったのだろう。
なお、「三階」という名字は関東や北陸にみられるが、「四階」や「五階」という名字は現存しない。