人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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リオ五輪の名字から

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2016/07/25 10:08

伊調馨選手(International Wrestling Databaseよりキャプチャ)

現地時間で8月5日(日本時間6日)に開幕するリオ五輪。選手団の総数は、男子167人、女子164人の計331人。海外での五輪としては、北京五輪の339人に次ぐ大規模なものとなった。

その選手名簿を見てみると、珍しい名字の選手も多い。なかでも、フェンシングの徳南堅太と、アテネ五輪以来4回目の出場となるレスリングの伊調馨の名字が双璧。

「徳南」は関西などにごくわずかだけあるもので、徳南選手は福井県越前市の出身。実はフェンシング代表6人のうち、4人が越前市の武生商の卒業生だ。

一方、「伊調」は青森県の八戸市周辺にのみある名字で、愛知県の中京女子大付高を卒業している伊調選手も八戸市の出身。

この2つに続いて珍しいのが、ロンドン五輪に続いて出場する柔道の田知本遥と、初出場のトランポリンの棟朝銀河。「田知本」は東日本に点々とあるが、富山県と青森県にやや多く、田知本選手は富山県射水市の出身。「棟朝」も関西から関東にかけてと北海道に点々と分布しており、棟朝選手は東京の出身である。

これ以外では、水球の筈井翔太(京都出身)、レスリングの土性沙羅(三重県出身)、近代五種の三口智也(和歌山県出身)らの名字も珍しい。

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