日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/07/19 11:40
先日の参院選の際、鹿児島県では同時に知事選挙も行われていた。この選挙では三反園訓新知事が当選している。
この「三反園」という名字が正しく読めるだろうか。素直に読めば「さんたんぞの」だが、実際には「みたぞの」と読む。テレビ朝日の政治担当記者の出身で、「ニュースステーション」などにも出ていたことから、読める人も多いかもしれない。
全国的にはかなり珍しく、おそらく50世帯以下。当然鹿児島県に多く、とくに指宿市に集中している。三反園訓も指宿市の出身である。
さて、読み方は「みたぞの」だが、意味的には「さんたんぞの」である。「園」というのは、「野菜や果樹、草花を育てるための一区画の土地」(『日本国語大辞典』)で、とくに鹿児島県では屋敷内にある菜園を指すという。
一方、「反」というのは土地の面積の単位。時代によってやや異なるが、江戸時代以降は1反は300坪で、約10アール(990平米)を指す。3反とは900坪となり、かなり広い菜園を持つ屋敷の住人だったことがわかる。
なお、「三反園」という名字は、鹿児島県の他、大阪府にもある程度の数がある。