日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/03/14 10:35
春といえば桜。では、桜(櫻)のつく名字といえばまず何を思い出すだろうか。
一番多いのは全国順位90位の「桜井」。有名タレントもいることから、多くの人がまず「桜井」を思い浮かべるだろう。2番目に多い「桜田」の全国順位は800位台、次の「桜庭」は1000位以下で、この3つが「桜」のつく名字ベスト3だ。以下は、「桜木」「桜沢」「桜本」「小桜」「桜岡」「桜谷」「桜川」「桜」「桜間」「桜山」「桜場」と続き、これ以外は珍しい名字となる。
「桜」のつく名字は種類こそ多いが、自分の回りにはいなかった、という人も多いのではないだろうか。というのも、「桜井」は東海から東北南部にかけて多く、「桜田」は東海から北海道にかけて、「桜庭」は秋田県以北に集中している。つまり、「桜」のつく名字は東北を中心に東日本に多い名字なのだ。
前述の中でも、西日本に多いのは広島県に集中している「小桜」と、九州や愛知県に多い「桜木」、徳島県から関西にかけて多い「桜間」くらいだ。桜の木そのものは、古くから全国に分布している。にもかかわらず東北に「桜」のつく名字が多いのは、冬の長い東北では、春の訪れを告げる桜を待ちわびる気持ちが、多くの名字となってあらわれているような気がする。