日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2016/02/01 14:13
1月31日に開催された、リオ五輪選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンで、ベテラン福士加代子選手が2時間22分17分という好タイムをマーク、独走で優勝して初のマラソン代表入りが濃厚となった。過去、アテネ・北京・ロンドンと3回オリンピックに出場しているものの、すべて10000mなどの長距離種目で、マラソンでの代表は一度もない。
さて、この「福士」という名字は珍しいのだろうか。全国ランキングでは1000位以内なので、かなりメジャーな名字といえる。数からいえば「有村」や「藤山」と同じくらい、というと驚く人も多いかもしれない。
しかし、全国の4割以上が青森県にあり、青森県では県順位29位。そして、隣接する北海道・岩手県と合わせた3道県に、全国の福士さんの8割近くが集中しており、他地域には少ない。とくに西日本ではほとんどみられないといっていい。
戦国時代、今の盛岡市にある不来方城主には戦国武士の福士氏がいたなど、古くからこの地域を本拠とした一族であることがわかっているが、ルーツの地は山梨県の地名とみられる。
なお、現在とくに多いのは青森県の津軽地方で、福士選手も津軽の板柳町の出身である。