日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2015/11/30 13:35
28日NHKで「そうだったのか日本人の名前」という番組が放送された。実は私も事前に取材を受けていたのだが、編集の段階でカットとなり番組には登場しない。
番組では日本一佐藤さんが多い自治体として山梨県道志村が紹介されている。「佐藤さんが多い」というと東北をイメージするため、山梨県の村が日本一ということには違和感がある。そのため、過去に他の番組からも取材されたことがあるのだが、実はこれは統計のマジックなのだ。現在の佐藤さん率は道志村が最多で、以下は山形県真室川町、宮崎県高千穂町の順。
ところが、平成大合併の前の時点でランキングをつくると、道志村は2位で最多は秋田県鳥海町。3位矢島町、4位皆瀬村と秋田県が続き、さらに7位に稲川町、10位にも仁賀保町とトップテンのうち半数の5つが秋田県なのだ。真室川町は8位で、高千穂町はトップテンには入っていない。
日本一佐藤さんの多い秋田県では、県南部は佐藤さんだらけだった。しかし、これらの自治体は由利本荘市やにかほ市、湯沢市といった人口の多い市と合併したために比率が下がってしまったのだ。決して佐藤さんの比率が低くなったわけではない。
つまり、現在の「佐藤さんの多い自治体」とは「平成大合併で合併しなかった町村」のランキングにすぎないのだ。