日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2015/11/02 11:06
先日、「モーニング娘。’15」のエース鞘師里保が卒業するというニュースが流れていた。ニュースとしては、17歳での卒業にスポットがあたっていたが、私が気になったのは、「鞘師」という名字の方だ。
「鞘師」というと、プロ野球広島の外野手で、現在はスカウトを務めている鞘師智也がいる。報徳学園高時代に甲子園に出場し、選抜大会で横浜高の松坂大輔(現ソフトバンク)からヒットを打っていることでも知られる。
「鞘師」という名字は、どこにでもあるような名字ではない。というより、かなり珍しい名字で、おそらく全国に20世帯もないだろう。何か関係があるのでは、と思って調べたら、どうやら鞘師里保は鞘師智也の姪にあたるとのこと。
「鞘師」とは、文字通り刀の鞘を作る職人のことだ。従って、鞘師は少ないながらも各地におり、「鞘師」という名字も関東から九州にかけて転々とある。
刀の鞘は、自然乾燥させた朴の木を縦に割り、その内側を刀身に従ってくり抜いてつくる。この時、刀が鞘の中で少しでもすれると、刀身に傷がついたり錆びたりするため、熟練の技が必要だった。鞘師里保・智也の先祖は姫路の鞘師の末裔と伝えているようだ。