2015年10月5日、ついに「番号法」(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」)が施行されました。これにより今後、マイナンバーの通知カードが各世帯に送付されることになります。
今回は通知カード送付直前ということで、そのスケジュールと、実際に送られてくる通知カードはどのようなものか、といった具体的な情報をお伝えしたいと思います。
通知カードは10月中旬から送付開始
マイナンバーの通知カードは10月5日時点の住民票の住所に基づいて作成され、10月中旬から各世帯に対し、簡易書留で送付されます。現在の予定では、おおむね11月中には全世帯に送付がなされる予定となっています。
多くの企業では、年末調整の書類と合わせて、従業員から通知カードの写しを回収しようと計画しているようです。
しかし、当初予定されていたスケジュールよりも通知カードの送付時期が遅れていることから、年末調整の書類回収時期には間に合わないケースが出てくるかもしれません。
実務的には、通知カードを待つために年末調整の書類回収を遅らせるわけにはいきませんので、年末調整書類の最終提出期限を明確に設定し、通知カードの写しは別途提出させるという方法も検討しておくとよいでしょう。
マイナンバーに関する送付物
現在、従業員向けにマイナンバーに関する説明会を開催している企業も多いと思いますが、その際、実際に送られてくる通知カードなどのイメージを示すと、より理解が進むのではないでしょうか。
そこで以下では、実際にどのようなものが手元に届くのかを見ていきましょう。
①通知カードの封筒
通知カードは、実際には上の画像のような封筒で送られてきます。
表面には「通知カード 個人番号カード交付申請書 在中」と記載され、転送不要の簡易書留で郵送されます。そして裏面には、「まいなんばーつうち」と点字されており、マイナンバーに関する案内を音声で聞くことができる「音声コード」が印字されています。
②同封物
封筒には、以下の4つの資料等が同封されています。
(1)宛名台紙
(2)通知カード+個人番号カード交付申請書兼電子証明発行申請書+音声コード台紙
※世帯人数分(一通あたり最大8名分)
(3)説明用パンフレット
(4)個人番号カード申請書の返信封筒
③通知カード・個人番号カード交付申請書
通知カードは、個人番号カード交付申請書と一体になっており、切り取り線に沿って切り離すことができるようになっています。切り取り線から下の個人番号カード交付申請書に必要事項を記載し、写真を添付したうえで、②(4)の返信封筒に入れて投函すると、2016年1月以降、市町村の窓口などで個人番号カードの交付を受けることができます(個人番号カードの申請については、スマートフォンなどによる申請方法も用意されています)。
送付物に関して具体的にイメージできたでしょうか。従業員には早めにアナウンスを行ない、カードの厳重保管を指示するとともに、今後の番号の提出スケジュールなどについても伝えておくとよいでしょう。
(次回は10月26日・月曜日に配信予定)
【執筆者プロフィール】
社会保険労務士法人名南経営
代表社員 大津章敬(社会保険労務士)
愛知県出身。大学在学中に社会保険労務士資格を取得し、1994年に早稲田大学法学部を卒業後、新卒で名南経営に入社。従業員と企業の双方が「この会社で良かった」と思える環境を実現する人事労務コンサルタント。企業の人事制度整備・就業規則策定など人事労務環境整備が専門。中でも社会保険労務士としての労働関係法令の知識を活かし、労働時間制度など最適な制度設計を実施した上で、それを前提とした人事制度の設計を得意とする。『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』(日本実業出版社)など12冊の著書を持つ。