人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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風情のある難読名字、栗花落さん

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2015/09/07 10:00

「栗花落」という名字、読めますか?(画像は関西テレビ「ちゃちゃ入れマンデー」公式サイトよりキャプチャ)

先週に続いて2週連続の告知となってしまうが、シルバーウィーク中に放送される関西テレビの「ちゃちゃ入れマンデー」という番組からインタビューを受けた。近年はなぜか関西ローカルの番組からの依頼が続いている。

この番組では、大阪市内をルーツとする「渡辺」など、関西にまつわる名字をとりあげ、関西の珍しい名字の紹介もある。「小鳥遊」「鴨脚」などいくつの難読名字を道行く人に読めるかどうか聞く、というロケを行ったところ、なんと「栗花落」さんはご本人に行き着いたとのこと。

「栗花落」は兵庫県を代表する珍しい名字の1つ。室町時代には摂津国矢田郡原野村(現在の神戸市北区)の領主として栗花落勘解由左衛門の名前が見えるなど、歴史のある名字でもある。

さて、この名字の読み方だが、とても風情のあるものだ。この地域ではちょうど栗の花が落ちる頃に梅雨に入る。そして、その時期に庭から清泉が湧いたことから、「栗花落」を名字にし、「つゆり」(梅雨入り)と読んだと伝える。

今では本家と分家で、「つゆ」と「つゆり」に読み方が分かれているとのこと。なお、放送は9/22(火)19:00~で、関西地方のみ。

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