日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2015/06/15 14:32
今年の大学野球選手権は、早大の3年振りの優勝で幕を閉じた。鳴門工(現在は鳴門渦潮高)の監督として甲子園準優勝経験のある高橋監督が、就任わずか半年で日本一の座をつかんだ。
一方、準優勝したのは東京新大学リーグの流通経済大。全国的には無名の同チームを引っ張ったのはエースの生田目翼。名字は「なばため」と読み、その独特の名字とともに話題になった。
「生田目」という名字は、意外と多い。その数でいえぱ珍しい名字ではなく、普通の名字の範疇に入る。しかし、関東と福島県にのみ集中しているため、それ以外の地域ではほとんどみられない。
「生田目」のルーツは下野国芳賀郡生田目(現在の栃木県芳賀郡益子町生田目)で、戦国時代からみられる。地名は「なばため」と読み、名字も「なばため」が本来の読み方だ。しかし「生田目」で「なばため」とは読みづらい。「生」は「なま」とも読むことから、名字では「なまため」と読む人も多い。
一方、「なばため」という読み方に従って、漢字の方を変えた家もある。多くは「生畑目」「名畑目」など「なばため」と読めるものだが、「生天目」や「青天目」、さらに「天女目」となると、もはや「なばため」という読み方とはかけ離れ、さらに難読の名字となってしまっている。