人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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早慶戦と小島投手

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2015/06/02 14:11

煽りあいが秀逸な六大学野球のポスター

「ハンカチ」「ビリギャル」という話題の言葉を使った、チアリーダーはじめ5種類のポスターの影響で近年になく盛り上がった東京6大学春の早慶戦。試合は早大が初戦で慶大を降して法政大と並ぶ最多タイの44回目の飾ると、翌日には2連勝で全チームから勝ち点をあげる完全優勝を達成した。

この最終戦に登板した早大の投手は、初先発のルーキー小島和哉。一昨年の選抜で浦和学院高が甲子園を制したときの2年生エースだ。ポスターでいじられている斎藤佑樹以来の1年生による2桁奪三振も記録した。

この小島投手、「こじま」ではなく「おじま」である。「小島」という名字は全国ランキングのトップ100にも入るメジャーな名字で、小島瑠璃子、小島慶子、小島よしおなど、タレントにも小島さんは多い。そして、この3人はいずれも「こじま」であるように、「小島」さんのほとんどは「こじま」と読む。

実際、全国の「小島」さんのうち9割以上は「こじま」で、「おじま」と読むのは数%。しかも、「おじま」には地域的な偏りが大きく、宮城県・茨城県・高知県の3県と、兵庫県の篠山市付近に集中している。とくに、宮城県と高知県では「こじま」より「おじま」の方が多い。

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