人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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埼玉県のルーツ(1) さきたま古墳群

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2015/05/11 11:10

稲荷山古墳
稲荷山古墳

ゴールデンウィーク中の5月4日、埼玉県行田市にある、さきたま古墳群を訪れた。

さきたま古墳群は、前方後円墳8基と円墳1基の大小計9基の古墳がある、日本を代表する古墳群である。しかも、小学校の社会科の教科書にも掲載されている、「獲加多支鹵(ワカタケル)」とみられる文字が刻まれた鉄剣が出土した稲荷山古墳も含まれているのだが、その知名度はあまり高くない。

JR高崎線の吹上駅で降りてタクシーで向かったところ、ひっそりとした場所だと思いきや、大量の車で道が大渋滞している。何事かと思ったら、この日は「さきたま火祭」が行われており、公園には多数の露店が出、コンサートなども開かれていた。メインイベントは、藁で作られた古代の産屋(うぶや)に火をつけて燃やすらしい。

産屋
「さきたま火祭」のメインイベントで、この産屋を燃やす

さきたま古墳群は、江戸時代後期の『新編武蔵風土記稿』にも記載され、戦後も水田の中に数基の古墳が小山のように残っていた。現在では一帯が公園として整備され、埼玉県立さきたま史跡の博物館も併設されている。博物館には稲荷山古墳で発見された鉄剣など、国宝も多数展示されており、入館料200円でこれだけ多くの国宝がみられるところは、他にはないのではないだろうか。

なお、博物館では、勾玉作りが行われて賑わっていた。

手作りの勾玉
手作りの勾玉
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