日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2015/04/27 13:34
今シーズン、大リーグのヤンキースから古巣の広島に復帰した黒田博樹。メジャー球団からの高額オファーを蹴って広島に戻った黒田は、広島ファンだけではなく、プロ野球ファンの注目を的だ。4月26日現在、広島はまだ8勝しかできずリーグ最下位だが、うち3勝は黒田があげたもの。その一挙手一投足は注目を集め、先日も、あるテレビ局から「黒田」という名字に関しての問い合わせがあった。
「黒田」という名字の意味は、文字通り「黒い田」。しかし、本当に「黒い」田というのは考えづらい。『日本国語大辞典』(小学館)をみると、「黒田」とは「稲を植え付ける前の田」とある。確かに、水田は稲の葉で緑色だが、稲を植える前や土が露出しており黒っぽい。同じように、刈り取った後の水田も土が露出しているため、黒田と呼ぶこともあったようだ。
こうした場所に由来するのが「黒田」さんで、全国各地にルーツとなった「黒田」地名がある。昨年の大河ドラマの主人公黒田官兵衛のルーツは滋賀県長浜市の黒田地名とされるが、近年の研究では、滋賀県の黒田氏と黒田官兵衛の家は別系統で、官兵衛のルーツは兵庫県西脇市の黒田地名ではないかとも言われている。