本当にわかる心理学

発売日 2010.02.25
著者 植木理恵
判型 四六判/並製
ページ数 240
ISBN 978-4-534-04683-3
価格 ¥1,540(税込)

先が読めない現代社会において、人のこころはますます苦しめられ、傷ついています。本書は科学的根拠を重視して、実験、観察、測定、統計、数値化などの技法によって、明らかにされた人のこころの中をわかりやすく解説します。

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詳細

第1章 心理学とは何か

  心理学とは?01 

   目に見えなくともそこには「ある」?008

   ▼無意識と深層心理 008

  心理学とは?02

   目に見えないものはそこには「ない」!012

   ▼心理学への科学的アプローチ 012

  心理学とは?03

   「今日から使える」知識の生かし方 016

   ▼心理学を学ぶ意味 016

  心理学とは?04

   心理学を正しく理解する整理法はこれだ!019

   ▼上手に知識を身につけるには? 019

  心理学とは?05 研究手法によって心理学を勉強する 022

   ▼「切り離し型」よりも「重なり発見型」 022

 Column ドイツ人と米国人どちらがより残虐か?

第2章 「現象」から見える心理学

 第2章のOUTLINE 日常的な現象から人間のもつ本質を推測する心理学

  現象01 自分を好きになる方法は? 030

   ▼「自己肯定感」が人生を豊かにする 030

  現象02 集団が大きくなると人の行動はどう変化するのか? 035

   ▼「社会的手抜き」という現実 035

  現象03 美男美女であることは本当に得か? 040

   ▼「ゲインーロス効果」という罠 040

  現象04 「見るな」といわれるとどうしても見たくなるのはなぜ? 044

   ▼「心理的リアクタンス」は人間の証 044

  現象05 なぜ記憶はときどきウソをつくのか? 049

   ▼「フォールス・メモリー」が引き起こす悲劇 049

  現象06 人の潜在能力を最大限に引き出すには? 052

   ▼「ピグマリオン効果」が信じる者を救う 052

  現象07 第一印象を効果的にするテクニックとは? 055

   ▼「初頭効果」の恐ろしさ 055

  現象08 小さな悪を放置しておくと人の心はどう変わるのか? 060

   ▼「ブロークン・ウィンドウズ現象」のメカニズム 060

  現象09 共感してもらうと人は「お返し」をしたくなる 065

   ▼「好意の返報性」は人間関係の要 065

  現象10 学級崩壊に教師はどう立ち向かうべきか? 067

   ▼PM理論とリーダーシップ 067

 Column トイレの所要時間はどんな要因で変化する?

第3章 「実験」で測る心理学

 第3章のOUTLINE 仮説→検証を重視する「科学」としての心理学

  実験 01 人をやる気にさせるにはどうすればよいのか? 074

   ▼効果的な「条件づけ」とは? 074

  実験 02 人はどうやってマインド・コントロールされるのか? 078

   ▼「間欠強化」は高次の条件づけ 078

  実験 03 人がやる気をなくすのはどういう状況か? 082

   ▼努力しても無駄、という思いが生む「学習性無力感」 082

  実験 04 やる気を最大限に引き出すアメの与え方とは? 086

   ▼「アンダーマイニング」に気をつけろ 086

  実験 05 記憶の達人はどうやって覚えているのか? 090

   ▼暗記ではなく「精緻化」 090

  実験 06 偽りの記憶はどうやってつくり出されるのか? 094

   ▼会話で生まれる「構成的想起」 094

  実験 07 うわさ話はどう生まれどう広がっていくのか? 096

   ▼「集団エゴイズム」が事実を歪める 096

  実験 08 自分の意見を通しやすいシチュエーションとは? 100

   ▼力説するより「スティンザー効果」を活用! 100

 Column モチベーションには「外発-内発」軸しかないのか?

第4章 「観察」で見抜く心理学

 第4章のOUTLINE 人を長期間観察し言語や行動を一般化する心理学

  観察 01 「ひらめき」はどうやって起きるのか? 108

   ▼「洞察」のメカニズム 108

  観察 02 「そういえば……」はどう頭をよぎるのか 112

   ▼「想起サイクル」はどこまでも続く 112

  観察 03 偽りの記憶が生まれるのはどういうときか? 116

   ▼「強制想起」は自分をも欺く 116

  観察 04 セクハラをしやすいのはどんなタイプ? 120

   ▼権限の本質と「ステレオタイプ」 120

  観察 05 高学歴の人は仕事ができる? できない? 124

   ▼「学歴ステレオタイプ」は人間性にまで影響する 124

  観察 06 「一を聞いて十を知る人」の思考パターンとは? 128

   ▼「アナロジー」をフルに活用する 128

  観察 07 親と子はどうやって「親子」になるのか? 132

   ▼「母子相互作用」というテレパシー 132

  観察 08 子どもの社交性はどのように形成されるのか? 136

   ▼親への「愛着」が社会への入り口 136

  観察 09 「友情」はどうやってつくられるのか? 140

   ▼「個別性」を知って人は成熟する 140

  観察 10 本当の恋愛はいつからできるのか? 144

   ▼まずは自分の「アイデンティティ地位」を知ること 144

 Column 自分自身のことはどうやって知るのか?

第5章 「理論」を整理する心理学

 第5章のOUTLINE タイプの分類をするために現象をモデル化する心理学

  理論01 どれくらいの難易度なら人は意欲を感じるのか? 152

   ▼結果期待と効力期待による「自己効力感理論」 152

  理論02 頑張ってもうまくいかない原因はどこにあるのか? 156

   ▼「原因帰属理論」から見えてくる、できる人の思考パターン 156

  理論03 人の「意欲」を高める二つの公式とは? 158

   ▼「期待×価値」=モチベーション 158

  理論04 知能の高低をどのように表現するのか? 162

   ▼「精神年齢」を「生活年齢」と比較する 162

  理論05 心の知能は測定可能なのか? 166

   ▼対人的な能力を示す「社会的知能」 166

  理論06 「性格」を科学的に分析すると

   ▼「外向-内向」「情緒安定-不安定」の組み合わせで性格は決まる 168

  理論07 ストレスとの上手な付き合い方は? 174

   ▼「ストレス・コーピング」で対処する 174

  理論08 情報は、どのようにして記憶に変わるのか? 178

   ▼脳を貯蔵庫にたとえる「ボックス・モデル」 178

  理論09 効果的に情報を覚えるにはどんな工夫が必要か? 182

   ▼「エピソード記憶」を積み重ね、利用する 182

  理論10 すぐ忘れる記憶といつまでも残る記憶の違いは何か? 186

   ▼「処理水準」からのアプローチ 186

 Column 効率的な学習方法とはどういうもの?

第6章 「技法」を提示する心理学

 第6章のOUTLINE 理論を応用し臨床で役立てるための心理学

  技法01 「問題行動」を抑えるにはどうすればよいのか? 194

   ▼行動そのものにアプローチする「行動療法」 194

  技法01 うつを招きやすい特有の考え方とは? 198

   ▼ものごとの見方を変える「認知療法」 198

  技法01 気にするから具合が悪くなる…この悪循環から抜け出すには? 202

   ▼我執から離れるトレーニング=「森田療法」 202

  技法01 自己中心的な考え方から脱却するには? 206

   ▼精神修養から生まれた「内観療法」 206

  技法01 心を見つめ直す究極の方法は? 208

   ▼身体からアプローチする「絶食療法」 208

  技法01 メンタルヘルスを保つ自己暗示のひけつとは? 210

   ▼リラックスのコツをつかむ「自律神経訓練法」 210

  技法01 カウンセラーに求められるクライアントとの関係は? 214

   ▼臨床心理学に多大なインパクトを与えた「クライアント中心療法」 214

  技法01 内面へのアプローチがスムーズになる方法とは? 218

   ▼カウンセラーとの関係を円滑にする「絵画療法」 218

  技法01 家族全体がカウンセリングの対象となることもある? 222

   ▼システムにアプローチする「家族療法」 222

 Column あなたは客観的発想ができますか?

参考文献

さくいん

著者プロフィール

植木理恵

うえき・りえ
1975年生れ。心理学者、臨床心理士。東京大学大学院教育心理科修了後、文部科学省特別研究員として心理学の実証的研究を行なう。日本教育心理学会において最難関の「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を史上最年少で連続受賞し、現在、都内総合病院心療内科でカウンセリング、慶應義塾大学理工学部教職課程で講師をつとめる。
著者に『ぷち依存生活のすすめ』(PHP研究所)、『部下のやる気を2倍にする法』(和田秀樹氏らと共著、ダイヤモンド社)、『人を見る目がない人』(講談社)、『シロクマのことだけは考えるな! 人生が急にオモシロくなる心理術』(マガジンハウス)、『小学生が「うつ」で自殺している』(扶桑社新書)、『好かれる技術 心理学が教える2分の法則』(新潮文庫)、『教育心理学の新しいかたち』(市川伸一氏らと共著、誠信書房)、『教育心理学』(鹿毛雅治氏らと共著、朝倉書店)、『絶対役立つ教育心理学』(藤田哲也氏らと共著、ミネルヴァ書房)など。

関連書籍

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