生産管理システム構築のすべて
発売日 | 2010.02.17 |
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著者 | 北村友博 |
判型 | A5判/並製 |
ページ数 | 304 |
ISBN | 978-4-534-04674-1 |
価格 | ¥3,080(税込) |
「工場業務の最適化」を実現する生産管理システム構築に必要な業務知識と開発テクニックが具体的にわかる1冊。著者の経験にもとづいたMRPやBOM、サブシステム設計などの実践的ノウハウを紹介。40ページ以上にわたる外部設計仕様書を完全掲載。
≪章立て≫
第1章 工場業務を単純にIT化したものが生産管理システムではない
第2章 生産管理システムを俯瞰するために欠かせない基礎知識
第3章 顧客の思いどおりの要求定義を実現するためのポイント
第4章 精度の高い最新の需要情報を生産計画で使うためのポイント
第5章 生産計画の立て方と計画変更への対処
第6章 MRP(資材所要量計画)の考え方と実践
第7章 生産管理の中核データベースとなるBOMを押さえる
第8章 CQDを満たす購買管理サブシステム構築
第9章 工程管理サブシステムの統制機能を向上させる仕組み
第10章 生産管理から考える在庫と在庫管理
第11章 工場財務と原価管理システムの留意点
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詳細
はじめに
第1章 工場業務を単純にIT化したものが生産管理システムではない
1-1 生産管理システムはCQDを向上させる仕組み 12
生産管理システムは工場業務を単純にシステム化したものではない
1-2 業種や業態でシステム化する対象が変わる 15
ベンダーは狭義の生産管理、顧客は広義の生産管理と、立場によって
生産管理のイメージがかけ離れている
1-3 顧客の想いを最大限に引き出すための3つのポリシー 18
「見える化」「情報速度」「カイゼン」のポリシーをシステムに組み込むことが必須
第2章 生産管理システムを俯瞰するために欠かせない基礎知識
2-1 製造業の情報システムは生産管理中心で考える 22
「調達(購買)」「生産」「販売」「開発」「管理」が基幹機能となる
2-2 企業ごとに異なる「ものづくり」の考え方 25
生産形態の分類を見極めることが重要となる
2-3 すべてのステークホルダーが合意するシステム化とは 28
部署や役職を超えた最適解を導くことが重要
2-4 生産管理における4つの情報 31
「計画情報」「事実情報」「属性情報」「管理情報」に分けて考える
2-5 工場のどの業務を「見える化」するかが重要 34
受注・購買・生産・販売・在庫を把握できるようにする
2-6 ITで工場の問題を共有化する 36
必要最小限の情報をタイムリーに提示することが求められる
2-7 製造業のバリューチェーン(価値連鎖) 39
3つのチェーンで付加価値の連鎖を作る
2-8 企業間全体でものづくりを考えるSCM 42
サプライチェーンとデマンドチェーンがカギとなる
2-9 エンジニアリングチェーンはBOMの源流 45
工程設計で工順と負荷情報が決まり、試作から量産、製品改良が続く
2-10 エンジニアリングチェーンを強化するPDMとPLM 48
PDMとPLMで知識と知恵の連鎖が大幅に強化された
2-11 生産管理のグローバル化 50
製造業企業の成長にはグローバル化が避けられない
第3章 顧客の思いどおりの要求定義を実現するためのポイント
3-1 生産管理システムは7つのサブシステムで考える 54
生産管理の周辺業務にまでスコープを広げる必要がある
3-2 周辺システムとのインターフェースが重要 57
生産計画を作るだけではなく、生産の真の問題を見つけ、解決することが求められる
3-3 工場の生産形態に合ったシステム構築 60
工場の生産形態を6つの視点で分類する
3-4 リードタイムは最重要キーワードの1つ 62
すべての企業活動がリードタイムの対象となる
3-5 生産形態によって変わるリードタイムと在庫との関係 65
顧客リードタイムと生産リードタイムとの差は在庫でカバーする
3-6 パッケージソフトをうまく導入するコツ 68
システムの目的やコストを考慮して導入する形態を決める
第4章 精度の高い最新の需要情報を生産計画で使うためのポイント
4-1 見込生産では需要予測がカギとなる 72
需要予測においては営業情報がとくに重要
4-2 開発者が見落しがちな受注の形態 75
受注の形態の中でも「受注と納期のタイミング」がもっとも重要
4-3 受注管理システムの考え方 78
受注管理に必要な機能は5つある
4-4 EDI受発注システムとの連携 81
EDIによって物流コストの低減や企業連携が可能になった
4-5 出荷管理システムの機能 84
顧客の要求する方法で、正確かつ短時間に終えなければならない
4-6 顧客へ納品する仕組み 87
おもな売上計上基準は「出荷基準」「引渡基準」「検収基準」
4-7 検収・請求・売掛管理 90
生産管理の中での販売管理システムにおける最終のプロセスとなる
第5章 生産計画の立て方と計画変更への対処
5-1 生産計画は3つの計画で成り立っている 94
手順計画→工数計画→日程計画の順に計画を立案していく
5-2 生産計画の順次展開 97
生産計画でもっとも大変な業務は、計画変更時の調整である
5-3 基準生産計画(MPS)の概要 100
タイムバケットを短くするとメリットは多い
5-4 生産計画を作っても安心できない理由と対策 104
生産の変化に耐えられる計画でなければならない
5-5 生産計画の撹乱とその影響 107
「生産計画面」と「生産実行面」の2フェーズで撹乱が発生する
5-6 生産計画の確定(凍結)と計画変更への対応 110
タイムフェンスで変更や飛込みに備える
5-7 生産ロットと段取短縮の考え方 113
ロット生産は効率がよくなるが、小ロット化が進んでいる
5-8 製番方式は個別生産における日本独特の生産管理方法 116
大別するとMRP、製番方式、カンバン方式の3方式による生産管理が行なわれている
第6章 MRP(資材所要量計画)の考え方と実践
6-1 MRP(資材所要量計画)の考え方 120
MRPではタイムバケットと独立需要品目・従属需要品目が重要
6-2 部品展開のロジック 124
MRPとは、製品単位の生産計画を部品単位の生産計画に展開すること
6-3 日程展開のロジック 127
日程展開は標準リードタイムでタイムバケット単位に行なう
6-4 生産スケジューリングで作業スケジュールを立てる 130
小日程計画を短時間で作成して、計画変更の調整をすることが欠かせない
6-5 MRPⅡからERP、SCMへの発展 133
ロジスティクスを全体最適化するSCMへと進化した
Column トヨタ生産システム(TPS)とカンバン方式の仕組み 136
第7章 生産管理の中核データベースとなるBOMを押さえる
7-1 MRPにはBOMが必要 138
BOMは生産に必要な資材や部品の種類・数量を決めるデータベース
7-2 BOMはP/NとP/Sから成り立つ 141
品目マスタがBOMで最重要となる基本マスタ
7-3 名称コードの重要性とその考え方 145
名称コードは図面と伝票、データベースが三位一体となっていることが重要
7-4 BOMの構成はP/Sで決まる 149
P/NとP/Sを使って所要量展開を行なう
7-5 設計部品表(E-BOM)と製造部品表(M-BOM) 153
BOMはE-BOMとM-BOMを並列させて保持することが一般的
7-6 BOMの改廃と更新 156
設計変更時はE-BOMの逆展開をしたうえでステータスコードを管理する
第8章 CQDを満たす購買管理サブシステム構築
8-1 軽視されがちな購買業務が急所となる 160
「原価」「品質」「納期」のCQDを満たす購買を実現する
8-2 購買の方法は工場購買から集中購買へシフトしている 163
本社サイドで窓口を一本化する「集中購買」へ比重が変わりつつある
8-3 発注方式は在庫管理と深い関係がある 166
対象となるモノの特性を判断して発注方式を決める
8-4 外注を活用する 173
外部企業に業務の一部を委託することでメリットを得る
8-5 購買の原点は取引先の選定と育成 176
よい購買政策は取引先をより強くすることを重視する
8-6 資材の物流・納品・検収のプロセス 179
納品と検収はまったく違う活動となる
第9章 工程管理サブシステムの統制機能を向上させる仕組み
9-1 工程管理の目的と機能 184
工程管理の機能は2つに大きく分けられる
9-2 工程管理では実績データの収集が重要 186
進捗管理によって、日程計画どおりの生産に戻し、生産性を把握できる
9-3 工程進捗を見える化するPOPシステム 189
POPは工場を見える化できるツール
9-4 IEを用いた生産性向上 193
IE技法で生産現場を改善することが重要
第10章 生産管理から考える在庫と在庫管理
10-1 「在庫」とは何か、なぜ在庫が必要か 198
在庫削減の前に考えておくべきことが3つある
10-2 在庫削減と在庫管理の必要性 200
在庫を持つメリットとデメリットのバランスをとる
10-3 在庫の種類と在り場所を理解する 203
在庫量の適正化が生産管理における在庫管理の最大目的
10-4 在庫管理の精度の上げ方 207
正確な記録を保つことが在庫管理の最重要課題
10-5 在庫の評価と在庫分析の方法 212
在庫の金額評価は原価で設定する
第11章 工場財務と原価管理システムの留意点
11-1 財務会計と管理会計 216
生産管理における「財務」はおもに管理会計を扱う
11-2 管理会計で必要な工場の分析 220
カイゼンに結びつく工場の収益分析
11-3 IFRSが生産管理システムに及ぼす影響 223
売上計上基準の変更は影響が大きい
11-4 取り扱いによっては経営を誤らせる部門別損益 226
管理会計システムには原価の魔術を考慮することがもっとも重要
11-5 損益分岐点分析による利益改善 229
費用を「変動費」と「固定費」に区分して分析する
11-6 全部原価と個別原価 232
経営の意思決定のためには直接原価計算が有益となる
11-7 標準原価計算の考え方 237
原価管理を効果的に行なうために「原価の標準」を持つ
11-8 実績原価の管理 242
設計段階でおおよその原価が決まる
Column 欧米におけるMRPⅡ以降の生産管理 244
附章 本書内容をベースとした生産管理システムの外部設計書
1 販売管理サブシステム 246
■各社のノウハウを活かす生産管理システムパッケージの構築
■システムの機能と範囲
2 生産計画サブシステム 256
■システムの機能と範囲
■計画対象製品の選択
■生産計画の手順
■生産計画の対象決定の考え方
3 購買管理サブシステム 267
■システムの機能と範囲
4 工程管理サブシステム 272
■システムの機能と範囲
5 在庫管理サブシステム 278
■システムの機能と範囲
6 BOM管理サブシステム 286
■システムで扱う情報
■部品構成マスタ(P/S)
■包装材の扱い
■工程表
おわりに
索引
著者プロフィール
北村友博
1946年生まれ。技術士(情報工学部門)、ITコーディネータ。早稲田大学第一商学部卒。東洋ベアリング製造(現、NTN)に入社し、システムエンジニア、情報システムマネージャ、CIOを務めた。2004年にピークコンサルティンググループ株式会社を設立。代表取締役として、あまたの中堅・中小企業にて、経営改革・業務改善コンサルティングをしている。共著に『中堅・中小企業のためのERP導入実践ガイド 2006年版』(日経BP)がある。