日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2024/07/30 09:18
関東では連日の猛暑が続いている。そこで山形県の蔵王温泉に1泊し、ロープウェイを利用して地蔵岳山頂にという避暑を計画したのだが、直前で山形県は豪雨にみまわれた。しかし、山形県でも南部ではほぼ被害が出ていないのと、豪雨は収まったことから予定通り出かけた。
するとなんとか傘をさすこともなく、市内観光の後蔵王温泉にたどりついた。蔵王温泉の気温は18℃、涼しくて気持ちがいい。そして翌日の29日、朝からロープウェイで上がったのだが、地蔵山頂上駅付近は濃霧で真っ白なうえに強風が吹き荒れている。
この日は佐野の41℃を始め北関東各地で40℃を超すという猛暑に見まわれていたなか、ここは気温16℃。しかも湿度99%で強風のため体感温度はかなり低く、涼しいというよりは寒い。
登山者は駅の中で装備を整えて濃霧の中に消えていったが、「登山者」ではない「観光客」には危険なので、すぐ近くにあるはずの蔵王地蔵尊すらみず早々に退散。中腹の樹氷高原駅の周囲を少し歩き、百万人テラスやニッコウキスゲなどの高山植物を見て麓に降りた。
さて、蔵王は広い。「山形蔵王」「宮城蔵王」と区別され、山形県ではJR山形駅の1つ手前の駅が蔵王駅である一方、東北新幹線では宮城県に白石蔵王という駅があり、その北西部一帯が蔵王町という自治体である。
そして、この両駅の間に横たわる奥羽山脈の一部を蔵王連峰といい、県境の刈田岳や、山形県側の熊野岳、宮城県側の屏風岳など一帯の山が「蔵王」で、「蔵王山」という単独の峰は存在しない。そもそも「蔵王」という地名は、新潟県、愛知県、滋賀県など各地にある。というのも、「蔵王」とは修験道の神である蔵王権現に由来しているからだ。
蔵王権現とは日本独自の山岳仏教である修験道の本尊で、正式名称は金剛蔵王権現。この蔵王権現を祀っているところが「蔵王」と呼ばれるようになったものだ。
宮城蔵王の刈田嶺神社は蔵王権現を祀っており、これがこの地の「蔵王」の由来とされている。