人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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東海道ウォーキング(通算31回)白須賀宿

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2023/05/09 10:28

新居関所跡

昨年秋以来、半年振りに東海道を歩いてきた。今回の出発地は静岡県湖西市の新居町駅。豊橋に前泊して東海道線で新居町駅に戻り、朝8時半に出発。駅を出るとまもなく新居宿である。ここには国指定特別史跡の新居関所跡と関所史料館があるが、残念ながらオープン前で外から写真を撮ったのみ。

この後、北上する東海道線とは逆に南に折れて海に近い道を西に進むが、残念ながら海はあまり見えない。この辺りは海岸段丘が続き、街道は段丘の下にある。
「白須賀」のよう「すか」のつく地名は、横須賀など各地にある。「すか」の「す」は砂地や洲を指し、「か」は「処」と書いて場所のこと。つまり、白須賀とは白い砂地の場所という意味だ。

かつては白須賀宿も海沿いにあったが、宝永4年(1707)に起きた宝永地震の津波で壊滅。宿場は汐見坂をのぼった段丘の上に移転した。この坂はかなり急で、広重の東海道五十三次「白須賀宿」でも汐見坂の急勾配を描いている。

汐見坂


また、東海道線が新居町駅から北上して鷲津駅を経由するのも、当時の鉄道はこの汐見坂を登ることができなかったからだという。しかし、東海道線から大きく外れたことで、白須賀宿はかつての面影を今に伝えている。

宿場にある「おんやど白須賀」で休憩し、当時の資料などをみた。

おんやど白須賀
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