日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2023/04/25 10:18
来週の大河ドラマ「どうする家康」に、なにわ男子のメンバー長尾謙杜演じる久松源三郎勝俊が登場するようだ。
久松源三郎は、リリー・フランキーが演じていた久松俊勝の三男で、兄康元、弟定勝とともに家康に仕えていた。三兄弟の父俊勝は、家康の実母・於大の方の再婚相手なので、兄弟はいずれも家康からみると義理の弟ということになる。源三郎は今川氏真のもとに人質となっており、今川氏が武田信玄に敗れた際にそのまま武田氏の人質となって甲斐に移っていた。
この久松氏は尾張国知多郡の国衆である。菅原道真の末裔と伝えており、室町時代に尾張守護斯波氏の家臣となり、英比(あぐい)郷を与えられて久松氏を称したのが祖という。
おもしろいのは「久松」という名字の由来で、先祖に当たる菅原道真の孫の雅規の幼名が「久松丸」だったことに因むという。つまり、先祖の名前を一族の名字として使用しているのだ。
江戸時代になると、家康の一族として「松平」の名字を与えられ、久松松平氏と呼ばれた。勝俊の子孫は下総多古藩主、弟定勝の子孫は伊予松山藩主、伊勢桑名藩主などをつとめた。寛政の改革を行った松平定信は、定勝の三男定綱の子孫にあたる。