日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2022/06/28 10:31
26日の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、「吾妻鏡」に書かれていた通り橋供養の帰りに落馬して源頼朝が亡くなった。
この橋は、稲毛重成が亡き妻の供養として相模川にかけたものである。稲毛重成の妻は北条時政の娘で、政子や義時の腹違いの妹。頼朝からみると妻の妹にあたり、身内として頼朝が供養に参列するのは当然のことだ。しかし、武士の棟梁である頼朝が、まさか落馬して亡くなるとは誰も思わなかっただろう。ドラマには落馬の原因をなにか盛り込むかとも思ったが、とくにそういう演出もみられなかった。
さて、この稲毛重成とは桓武平氏の出で秩父氏の一族。畠山重忠とは従兄弟同士である。武蔵国橘樹郡稲毛荘の下司(荘園の管理者)となって稲毛氏を称していた。この「稲毛」という地名は現在はなく、今の川崎市高津区・中原区一帯とみられている。
さて、このドラマの登場人物は次々と粛清されていくが、稲毛重成も例外ではなく、畠山重忠の乱後に三浦義村によって討たれることになる。川崎市高津区の枡形山から北に向かって降りていくと、広福寺という寺院がある。ここが重成の居館だったといい、墓地には重成の墓と伝わる五輪塔がある。