『教養としての「会社法」入門』(柴田和史著、ISBN:978-4-534-05923-9、初版)の「事業承継の問題点」に関する記述内容におきまして、一部誤解を招くおそれのある記載がありました。下記のとおり、表現の補足および変更をさせて戴きます。

424ページ うしろから2行目4文字目以下(表現の補足)

定款にこの定めがあるときは、譲渡制限株式の相続が発生しますと、相続人や被相続人の意思を無視して、会社は、会社の判断によって、相続財産に含まれている持株の全部を会社に売り渡すことを相続人に対して強制的に求めることができます。

425ページ 1行目22文字目以下(表現の変更)

会社の判断は、株主総会の特別決議によることになります(175条1項、309条2項3号)。このとき、会社が売渡しを求めている株式を相続した相続人は議決権を行使できません(175条2項)。したがって、会社が売渡しを求めている株式以外の株式に係る議決権の行使によって株主総会特別決議が行われますから、相続財産である持株の全部を会社に売り渡すよう求める決議が成立するかもしれません。こうなると、持株の全部を長男が承継できないことになります。

下記のボタンをクリックすることで、上記の表現の補足および表現の変更を行った該当ページのダウンロードが可能です。