日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2021/12/06 10:26
先日、嵐の後のポカポカ日和につられて、江戸川区の一之江名主屋敷に出かけてきた。一之江名主屋敷は、文字通り一之江新田の名主田島家の屋敷跡。「一之江」というが、都営新宿線の一之江駅よりも隣の瑞江駅から歩いた方が近い。
田島家の祖田島図書はもともとは堀田氏を名乗る武士だったが、関ヶ原合戦で西軍に属したことから武蔵に移って帰農したという。そして、同地の田島家の援助を得て慶長11年(1606)から江戸川下流の新田を開発、自らも田島氏を名乗って特権的な豪農になったとみられ、元禄年間以降は代々名主を世襲した。
瑞江駅から10分ほど歩いた住宅地の一角にある屋敷は、周囲に空濠を巡らせ、屋敷林を備えた中世武士の館の仕様だった。庭には池があり、鳥がひっきりなしに訪れる。縁側に腰かけて庭を見ていると、東京とは思えないのどかな気持ちになれる。
屋敷近くの城立寺(じょうりゅうじ)には田島家の墓地があった。城立寺は田島図書が開基した寺で、3mほどもある立派な石仏の奥に一之江田島家と、分家の墓が並んで建っている。周辺には「田島家」の立派な墓がいくつもあり、この付近一帯を支配していた一族であるこが推察される。