日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2021/11/08 10:34
三浦のルーツとされる横須賀市佐島地区の北側は三浦一族の芦名氏の名字の地だったが、南側には同じく三浦一族の有力氏族だった和田氏の名字の地がある。こうした配置からも、佐島が三浦本家の名字の地である可能性が高いといえる。
相模国三浦郡和田郷は現在の三浦市初声町和田地区で、国土地理院の地理院地図には「和田ノ里」という地名が記載されている。和田氏は全国に多く、そのルーツは各地の和田地名だが、中でもここをルーツとする和田氏が多い。
横須賀市に属する佐島や芦名には逗子からバスで入ったが、和田には京急三崎口駅からバスが出ている。和田バス停で降りると、すぐ近くに「和田義盛の碑」があった。そしてここから坂を上った台地の上の三浦初声高校和田キャンパス横に和田城の跡がある。
とはいっても、鎌倉時代の城跡のため遺構は全くなく、道路沿いの民家の横に碑が建てられているだけだ。地形的にみて、今では畑が広がっているこの台地上に館を構えていたのだろう。
一旦バス通りに降りて、道の反対側の斜面を登っていくと、和田義盛ゆかりの天養院と和田義盛を祭神とする白旗神社がある。白旗神社は和田合戦で和田一族が滅んだ後、村人が和田義盛の恩に報いるために建てたと伝わり、神社の御神体は和田義盛の銅製の肖像であるという。この地と和田一族の結びつきの深さを知ることができる。