日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2021/10/25 10:49
神奈川県三浦半島の西海岸に三浦一族のルーツの地があるので行ってきた。JR横須賀線の逗子駅で降りて、駅前から出るバスで南に向かう。葉山御用邸の前を通り過ぎ、さらに海岸沿いを南下すると横須賀市の佐島地区に到達する。この時乗ったのは長井行だったため佐島入口で下車、この付近が三浦一族のルーツの地とされている。
全国順位46位の「三浦」は、メジャーな名字としては珍しくルーツが1か所に限定される。その場所が相模国三浦郡三浦荘である。
平安時代にこの荘官をつとめた桓武平氏の一族が、地名をとって「三浦」と称したのが始まりだ。しかし三浦荘の場所ははっきりとしない。というのも、現在「三浦」という地名が残っていないからだ。
三浦半島の先端にある三浦市は、昭和30年に三崎町が周辺と合併して市制を施行した際に名乗ったもので、本来の三浦の場所ではない。三浦荘は三崎荘の北側に位置していたことが分かっているため、三浦市より北の横須賀市佐島付近ではないかといわれている。
「三浦」は古くは「御浦」であった。佐島漁港のある小田和湾がこの御浦である可能性が高いという。今でも1年を通じて釣客で賑わうこの穏やかな湾が全国の「三浦」さんのルーツとみられている。