一生モノのスキルになる! 『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法<連載第41回>
伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に関する著書も多い山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は、文章を書くことの10のメリットについて。
文章を書くことのメリットって何なの?
パソコン、スマホ、SNS、メール、チャットなどの普及・充実もあり、文章を書くことは、私たちの仕事や生活にすっかり根付いています。社会人の多くが1日1回、何かしらの文章を書いているといっても過言ではありません。
そこで、今回は「文章を書くこと」で得られる10のメリットについて紹介していきます。
メリット1:他者とコミュニケーションを図れる
文章でやり取りすることは、他者とコミュニケーションを図ることにほかなりません。適切にやり取りすることで、心と心の距離を縮めたり、信頼関係を築いたりすることができます。
メリット2:情報を広めることができる
「言葉=情報」です。文章を書くことによって、自分以外の人に情報を広めることができます。インターネットを組み合わせれば、広く世界に向けて情報を発信・拡散することもできます。
メリット3:記録として残せる
「話し言葉」はその場で流れてしまうため、ときに「言った・言わない」のトラブルを生じ得ます。一方、「書き言葉」の場合、消さない限り、その場(メディア等)に残ります。ビジネス的にはエビデンス(証拠)として使えます。
メリット4:人を動かすことができる
文章を書くことで、人を動かすことができます。たとえば、インターネット上に自社商品の魅力を伝えることで、商品を購入してもらうことができます。ラブレターを書き、意中の相手を振り向かせることもできます。
メリット5:自分を表現することができる
文章を使って、自分の気持ちや考え、感性などを表現することができます。詩やエッセイを書くこともできれば、ストーリーを紡いで小説を書くこと、評論や批評として自分の意見や見解を表明することもできます。
メリット6:書き手の記憶に残りやすくなる
文章に書き記すことで、書き手自身の記憶に定着しやすくなります。教科書やテキストの内容はもちろん、仕事上の知識、本や映画の感想、○○体験の感想、新しい情報や教養なども、文章としてアウトプットすることで記憶に残りやすくなります。
メリット7:頭の中が整理される
文章を書くことによって、頭の中が整理されやすくなります。複雑な情報を処理しているときや、頭が混乱しているときであれば、なおのこと情報整理効果が高まります。情報が整理されることで安心感が生まれるほか、ToDoが明確になることもあります。
メリット8:アイデアが生まれる
「文章を書くこと」は「思考すること」です。文章を書いている最中にパっとアイデアが浮かぶことも珍しくありません。また、書き終えた文章を眺めている際に思わぬアイデアが生まれることもあります。
メリット9:話し言葉で伝えるのがうまくなる
一度文章でまとめたものは「下書き代わり」となり、話すときのネタになります。すでに情報の棚卸しを終えている状態につき、焦ったり、もたついたりすることもなく、スラスラと言葉が出てくるはずです。
メリット10:感情の浄化作用がある
モヤモヤした気持ちを抱えているとき、その気持ちを書き出すと気持ちがすっきりします。書くことには感情をデトックスする効果もあるのです。書いた文章を客観視するだけで、悩みや迷い、不安が消えてしまうこともあります。
このように、文章を書くことには情報伝達の用途にとどまらず、他者とのコミュニケーションから思考の整理、感情の浄化作用まで、さまざまなメリットがあります。
こうしたメリットを知り、かつ享受することで、文章を書くことへの意欲や自信が湧いてくる人もいるでしょう。また、意識する・しないにかかわらず、文章を書くことは、その人自身に大きな自己成長をもたらします。日々の生活や仕事の中に「文章を書くこと」を取り入れていきましょう。