一生モノのスキルになる! 『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法<連載第38回>
伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に関する著書も多い山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は、検索上位を獲得するためのSEO文章術について。
検索上位を狙うならSEO対策は必須!
ビジネス目的でインターネット上に文章を書くときは、SEO(検索エンジン最適化)をしっかり意識する必要があります。
なかでも、ブログやホームページは、SNS経由でアクセスが流れてくるだけでなく、検索エンジンからの流入も多く見込めます。ここでは、ブログにフォーカスしてSEOライティングの勘所をお伝えします。
たとえば、港区でお花屋さんを探している人なら、Googleの検索エンジンに「港区 花屋」と打ち込む可能性があります。このとき、検索上位に表示されやすいのはどういうブログでしょうか。港区で花屋さんを営んでいるブログ運営者であれば、そのメカニズムを知っておく必要があります。
Googleの検索エンジンは、数百もの基準を用いて検索の表示順位を決めていると言われています。とりわけ重視しているのが「キーワード」です。ブログでいえば、以下の項目のキーワードが重要になります。
- ブログのタイトル
- ブログの説明文(ディスクリプション)
- ブログのプロフィール
- 個別の記事タイトル
- 記事の見出し
- ブログの本文
キーワードで戦略的なアクセスアップを
仮に、新宿区の税理士が運営するブログタイトルが「大輝の独り言」か「新宿区の税理士・山口大輝の相続遺言の悩み解決」だった場合、「税理士 新宿区」の検索で上位表示されやすいのは、後者のブログです。タイトルに検索キーワードが含まれているからです。
また、後者のブログであれば、「相続 遺言 税理士」のように検索された場合にも、上位に表示される可能性が高くなります。
このように、業種や職種、商圏(地域名・エリア名・駅名)、商品・サービス名、特性、専門性などをブログタイトルに含んでおくことで、戦略的に「来てもらいたい人(お客さん)」にアクセスしてもらいやすくなります。
一方、前者(ブログ「大輝の独り言」)では、検索表示の10以内はおろか、100位以内にも入らない恐れがあります。そうなると、見つけてもらいたい人に見つけてもらいにくくなります。そもそも人が検索表示後にチェックするページ数は1〜2ページ(上位20位くらいまで)だからです。
有効なキーワードは事前にリサーチしておく
検索エンジン対策を施すうえでブログタイトルは非常に重要で、何の狙いもなくタイトルをつけるのはNGです。
運営者が発信した情報を必要としている人が、どういう意図でどういうキーワード(言葉)を検索窓に打ち込むのか。あるいは、発信する側がどういうキーワードで自分のことを見つけてもらいたいか。そのあたりを比較検討しながらブログタイトルをつける必要があります。
キーワードのリサーチ方法としては、既存のお客様などに「相続に強い税理士を探すときに、検索窓にどういう言葉を打ち込みますか?」と聞いてみる方法が有効です。もちろん、すでにアクセスがある場合は、その都度、どのようなキーワードでアクセスが来ているのかを確かめておくことも大事です。
ブログの場合、個別の記事タイトルも重要です。仮に「相続税/手続き/代行」などのキーワードを含んだ記事タイトルと、そうでない記事タイトルでは、「相続手続き/代行/新宿」などの検索で上位表示されやすいのは、当然、「キーワードを含んだ」記事のほうです。
検索されやすいタイトルの記事が、10記事、100記事、200記事と増えるにつれ、新規のアクセスが増える確率が高まります。
最強のSEOは「読者満足度」への貢献
キーワード戦略以外にも、Googleに評価されやすい基準は把握しておくといいでしょう。ブログ記事の文字量は少ないよりも多いほうがいいですし、記事の中身も薄いよりも濃いに越したことはありません。
Google の AI は日進月歩で、今では人間と同じくらいの精度で記事の “良し悪し”を判断しているとも言われています。「文字量が多ければ中身はどうでもいい」という考えでは通用しません。
裏を返せば、SEO狙いのテクニックに走るのではなく、読者にとって役に立ち、満足できる情報を、記事としてしっかり書いていくことが肝心だということです。その意識こそが、結果的にGoogle が好む「社会の役に立つ記事(=検索者の意図に応える記事)」という理念に応えることになるのです。
もちろん、検索者の意図に応える良質な記事であれば、自然とSEOに有効なキーワードも混ざるはずです。ブログ運営者の専門性をベースに、徹底して読者に貢献する記事を書いていくことは、それ自体が強力なSEOライティングでもあるのです。