日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2021/03/01 10:59
先週紹介した、惣領、庶子という中世以来の地名を残す松田町は、松田さんのルーツとして町おこしをしている。
松田という名字は地名由来のもので、そのルーツの地は各地にある。その中で、もっとも有名なのが神奈川県の松田町なのだ。平安時代後期、藤原北家波多野氏の一族が松田を本拠とし、地名をとって松田氏と名乗っていた。源平合戦では平家方に属しために一時没落したが、まもなく有力氏族に回復、室町時代には幕府の官僚として活躍した。
さらに、戦国時代には小田原北条氏の重臣をつとめた松田氏も同族だ。また、一族は備前国に移り住んで戦国時代には宇喜多氏と激しく争っている他、出雲の国衆の松田氏も分家した一族であるなど、各地にある松田氏のなかでは最も有力な一族であったといえる。
松田庶子からさらに西に歩いて高速の下をくぐると松田城址入口という案内があり、ここから160m程の山を登ると松田城址につく。案内板によると、細長い形に城があったようなのだが、残念ながら遺構はほとんどなく素人にはよくわからない。
城跡から西を見ると、快晴の空に美しい富士山を望むことができた。ここに住んだ松田一族は、この見事な富士山をみながら暮らしていたのだろう。