「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2021/02/10 14:49
「ここでだけは知り合いと会いたくない」という場所で運悪く遭遇してしまい、明らかに挙動不審になってしまったり、話しかけられてしどろもどろになってしまった経験がある人も多いことでしょう。私も息子の入試の説明会で受験先の中学校を訪れたとき、同じ小学校のお母さんとばったり会ってしまったことがありました。しかも、とても成績の良いお子さんのお母さんだったので「うちは記念受験なので……」と口を濁して帰ってきた苦い記憶が残っています。
そうした「会いたくない場面で会っちゃったときの切り抜け方」をシチュエーション別に見てみましょう。
まずは、こっそり転職活動をしていて面接に行ったときに会ってしまったパターン。面接を終えてビルからでたところで、いまの勤務先の同僚とばったり会ってしまい、「あれ、今日はリモートワークの予定じゃなかったっけ?」と同僚から聞かれたとしても、正直に「転職の面接を受けに来た」とも言えません。
そんなとき、おススメしたいのは「別の要件を考えておくこと」。たとえば「叔父がここのビルで法律事務所をやっていて、一度遊びに来ないかっていわれてたから有休とったんだよ」といった感じです。
流石にこういうときは「嘘も方便」しかありません。こうした「不測の事態」に備えて、面接を受けに行く前に言い訳に使えそうな事務所などを調べておくとよいでしょう。
次は医療機関。内科や外科などならともかく、産婦人科や泌尿器科など、少しデリケートな診療を行なう病院を出たところで知人と会うケースもあるかもしれません。会っただけならまだしも、相手方が善意の心配から「どこか悪いんですか?」と聞いてくることもないわけではありません。
その場合は「父の付き添いで来たんだけど」など、自分以外の親類・家族の付き添いできた体裁にしてその場を乗り切るという方法があります。病院は必ずしも自分が罹っているとは限らないので、家族か親類が通っていることにして、スルーするのが良いでしょう。
社内恋愛中の相手と休日に街を歩いていたところ、上司や他の同僚に会ってしまったような場合にはどうしたら良いでしょうか。
「まだ会社では内緒にしているものですから……」などと言ってしまうと、かえって二人が付き合っていることを認めるようなものです。「たまたまそこの店でばったり会ったもので……」と、信じてもらえても、もらえなくてもお茶を濁すしかありません。
誰でも「ここでは知り合いに会いたくない!」と思っているようなときに限って、運悪く会ってしまうということもあります。そのようなときは、にっこり笑って嘘も方便です。ただ、誰かにあった時の言い訳ができるように、その日の目的地の周辺にどのようなお店や会社、事務所があるのかを常にチェックしておくことをお勧めします。
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