日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2021/02/01 14:02
東京都多摩市の「多摩市史」が、TRC-ADEACによってデジタルアーカイブされた。「多摩市史」には多摩市だけではなく周辺のことも書かれており、近くの日野市を本拠とする西党については、嫡流である西氏の名字は多西郡に因むのではないかとある。
多摩市立図書館/多摩市デジタルアーカイブ
https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/1322405100
多摩市史
https://trc-adeac.trc.co.jp/Html/Home/1322405100/topg/01_history/index.html
広大な多摩郡は、中世には東西に分割して多東郡・多西郡と呼ばれることが多かった。古代、この付近には太陽祭祀を任務とした日奉部に因む日奉(ひまつり)氏という豪族がおり、やがて日ノ宮権現(日野市栄町日野宮神社)を中心として日野台地一帯に勢力を張る武士団に成長した。
この日奉氏が、罪を得て配流されていた公家藤原氏の一族と縁戚関係を結んだことから、やがて多西郡の郡司となって西氏を名乗ったのではないかとある。西党については資料も乏しく貴重な資料といえる。
「県史」などは比較的大きな図書館に行けば見られることが多いが、地方の小さな市の「市史」はその周辺の自治体でないと所蔵していないことが多い。ましてやコロナ禍の現在では図書館に行って直接資料を手に取って探すのも困難で、こうしてインターネット上で誰でも見られる環境に公開されるのはありがたいことだ。
自宅では、それなりの数の「市史」や「町史」「村史」といった資料が書架を占拠しているが、やがてそうしたことは必要ではなくなる時代が来るのだろう。