人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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2020年の赤ちゃん名前ランキング

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2020/11/09 13:03

(photo by and.one/Adobe stock)

今年も「たまひよ」が赤ちゃんの名づけランキングを発表した。それによると、男の子は「蓮」が3年連続、女の子では「陽葵」(「ひまり」など)が5年連続1位と、相変わらずこの2つの名前が人気だ。

男の子の名前は、「蓮」以下も「陽翔」(「はると」など)「蒼」「樹」(「いつき」など)「湊」と続き、上位5つのうち4つが一字の名前。さらに8位にも「律」が入り、一字の名前の人気が高い。
一方、女の子の名前は「陽葵」以下、「結菜」(「ゆいな」など)「莉子」「芽衣」「紬」の順。こちらも、「葵」「凛」「澪」とベストテンには1字の名前が4つ入っている。

今年の注目は、男の子で26位、女の子で20位に入った「凪」(なぎ)。いずれも前年から大幅な上昇で、今年を代表する名前といえる。また、「葵」や「碧」(読みはいずれも「あおい」)が男の子でも上位に入るなど、男女両方のランキングに入っている名前が増えているのも特徴だ。

赤ちゃんの名づけは、その年の世相を大きく反映しているといわれる。コロナ禍の中で生まれた子どもの名前からみると、今年の特徴は平穏な「凪」を望みつつ、ジェンダーレスが浸透した1年、ということだろうか。

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