日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2020/09/28 13:59
27日、大相撲秋場所で東関脇の正代関が13勝2敗で初優勝、大関昇進をほぼ手中にした。
正代関の「正代(しょうだい)」というしこ名は本名である。珍しい名字で熊本県に集中しており、正代関も熊本県宇土市の出身だ。この「正代」という名字、もとは「小代」だったとみられる。
平安時代、武蔵国北西部に児玉党という武士団が広がっていた。この児玉党に所属していた入西相行の二男遠広が、武蔵国入西郡小代(しょうだい)に住んで小代二郎太夫と称したのが小代氏の祖である。小代氏は勝代氏と書かれることもあるほか、小代という地名も現在では埼玉県東松山市正代になっているなど、同じ読み方で漢字が変化するのはとくに珍しいことではない。
そして鎌倉時代の宝治元年(1247)、小代重康は宝治合戦に功をあげて肥後国玉名郡野原荘(現在の熊本県荒尾市)の地頭となり、文永8年(1271)には幕府の命で肥後国に移り住んだ。以後、小代氏は戦国時代まで肥後国の国衆として活躍した。
この小代氏の子孫が漢字を「正代」と変えたのが「正代」という名字の由来だろう。なお、現在では「小代」は熊本県よりも大分県に多く、「おじろ」と読むことが多い。