現役美容家・小林照子先生が、withコロナ時代のいまだからこそ伝えたい「美容的な生き方」を語った『なりたいようになりなさい』(日本実業出版社)。新刊発売を記念して全3回のインタビューを連載中です。今回は、おうち時間を有効活用した「美容ケア」について(前回の記事はコチラ)。
(聞き手/日本実業出版社)
おうち時間でキレイを作る! おすすめ美肌ケア
――前回のインタビューでは、「おうち時間でも見られている意識を捨てない」という意識を忘れないことが、なりたい自分になるための秘訣だとお聞きしました。美意識が低下しやすい巣ごもり期間に、小林先生が実践している美容ケアをお教えください。
今回のコロナ騒動で、日本人がもともと持っている衛生意識の高さが顕著にあらわれました。「帰ってきたらすぐに手を洗おう」や「なにかに触ったらアルコールで消毒しよう」など、今まで無意識でやっていた手洗い習慣の大切さを再認識させられましたね。
この「洗って汚れを取る」という習慣は、美容の観点からみてもとてもいいことです。私たちが汚れを落とすために手洗いや洗顔をすると、一時的に肌が乾きます。そうすると、失われたうるおいを補うために、「皮脂膜」という天然のクリームが体内から出てきて、乾燥から肌を守ってくれます。
しかし、予防のために、1日何十回と手洗いやアルコール消毒を繰り返しているとどうでしょう。天然のクリームの分泌作用が間に合わず、肌からうるおいが失われ、乾燥の原因となってしまいます。
――でも、手洗いと消毒は感染予防には欠かせませんよね。
乾燥を防ぐには、私たちが本来持っている天然の保湿クリームと近い成分の乳液や保湿クリームをつけてあげてください。特に乳液はとても便利で、水分と油分のバランスよく含んでいるので、つけ心地が自然で幅広い用途に使うことができます。私は洗面所はもちろん、バッグの中、玄関、仕事のデスクとあらゆる場所に乳液を置いています。
――肌トラブルの原因は「乾燥」だったんですね。
そうです。「老い」は肌の乾きから始まります。だから、家にいる時間が長い人は保湿を習慣にすることをおすすめします。
保湿の手順としては、まず手にクリームや乳液を塗ります。最初に手にクリームを塗るのは、一番洗う機会が多く、清潔に保たれているからです。次に、しっとりとうるおった手で、首や顔にもクリームを塗っていきます。肌がしっとりすると、乾燥ジワやくすみがなくなり、老けて見える原因を解消できます。
マスクをしていても笑う時は口角をあげて!
――まずは、肌を綺麗に整えるということですね。
素肌を綺麗にしておけば、日焼け止めやツヤ出しのパウダー、クリームをつけるだけで、ファンデーションを使わなくてもとても綺麗に見えます。もっとも今は、外出時にマスクで顔が隠れるからファンデーションをつける必要もない。肌を綺麗に整えるチャンスです。
素肌が健康なら血色もよくなるので、チークもいりません。余計な化粧品を使わないから、マスクに汚れがうつる心配もなく、清潔な状態を保つことができます。つまり、一番大切なことは「上等なお肌」をキープすることなんです。
――マスクをするときは、アイメイクもサボってしまいます……。
マスクで顔の半分以上が隠れてしまうと、ついついアイメイクも手を抜きたくなりますよね。ただ、マスクで目元しか見えない時こそ、感情を表現する役割は眉や目が担うので、実はとても大事なんですよ。やる気を伝えたいときはキリっとした眉を描いてみたり、やさしい印象を演出したいときはふんわりと仕上げてみるなど試してみてください。
また、マスクで隠れていたとしても、笑う時には口角をキュッと上げてみることを意識しましょう。そうすると、目元に自然で柔和なやさしい印象が残りますので、ぜひ実践してみてください。
マスクで見えないからいいやと手抜きになってしまったり、「私の肌をいまさら多少保湿したところで」とあきらめてしまったらそれでおしまいです。少しの努力を惜しまない気持ちこそが、あなたを生き生きとさせてくれます。
前回に引き続き「見えない積み重ねが大事」ということですね。ありがとうございました!
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今回は、おうち時間に有効な美容法をお聞きしました。次回は「年の差60歳! 若手担当者が聞く、将来『なりたいようになる』ために、今なにをしたらいいですか?」です。お楽しみに!
■インタビュー風景の動画はコチラ☆彡
小林照子(こばやしてるこ)
1935年生まれ。美容研究家・メイクアップアーティスト。
化粧品会社コーセーにおいて35年以上にわたり美容について研究し、その人らしさを生かした「ナチュラルメイク」を創出。小林コーセー(現コーセー)初の女性取締役にも就任。コーセー取締役・総合美容研究所所長を退任後、56歳で会社を創業、美・ファイン研究所を設立する。その後も、59歳のときに、[フロムハンド]小林照子メイクアップアカデミー(現[フロムハンド]メイクアップアカデミー)を開校、その後も、青山ビューティ学院高等部をスタートさせるなど、若者の人材育成にも力を入れる。
85歳を迎えたいまもビジネスの第一線で活躍。著書多数。