「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2020/05/13 11:24
緊急事態宣言が延長され、「Stay Home」の日々もいつまで続くのか先が見通せない毎日です。
私の友人たちは「Stay Home」で一番つらいのが、毎日の三食作りだと口をそろえて言います。医療従事者や、外で私たちの生活を支えるために働いている方たちを思うと、その程度でストレスを感じるのは申し訳なく感じますが、毎日のこととなるとやはり大変。リモートワークをしている友人は、昼間は家族の世話や食事作りで忙しいので、夜中に仕事をしていると話していました。
なにがそんなにつらいかというと「家族が無反応」なこと。どんなに一生懸命作ったとしても無言で、そのうえテレビを見ながら食べられたりすると、さすがにイラッときます。
毎食「美味しい!」とは言えないかもしれないけれど、せめてなんらかのリアクションが欲しい。もし口に合わないのであれば、塩加減が足りないとか、はっきり言ってもらえたほうがまだましです。「黙っている」ことが一番良くないと思うのです。
また、別の知人(80歳)は、奥様が病気なので三食作りから掃除・洗濯まで一人でこなしています。先日、久しぶりに電話をかけて私が「こんなに毎日、一生懸命ご飯を作っているのに、家族が無反応なのがつらい!」と言ったら、「ぼくも自分でご飯を作るようになってわかったんだけど、食事を作ってもらったら、なんらかの感想を伝えるのは最低限のマナーだね」と話していました。
そして、遊びに来た小学生のお孫さんが「じいじ、これ美味しい!」と大きな声で言ってくれるのが何よりも嬉しいとのこと。「こういうことが自然に言えるのは得だね。最近は会えなくなったけど」と寂しそうでした。
このように、作った食事に対して「美味しい!!」と大きな声で伝えられるのが、作り手にとっては一番の報酬。それに、たった一言で機嫌が良くなるのであれば、それを伝えないのはもったいないとも言えます。
それに、食事をほめる表現は
など、「美味しい!」以外にもたくさんあります。
加えて、食事に対して多彩な感想が言えるようになれば、その表現力を会食や宴会の席でも活かせます。場も盛り上がりますし、コミュニケーション能力の高い人だと評価されるかもしれません。
食事作りは作品づくりに似ています。栄養バランスや見た目も意識しながら献立を考え、買い物に行き、材料を切って作る。長い時間と労力がかかっています。ですから、一生懸命作ってくれた人の思いに応えるひと言を毎回、発するように心がけましょう。その一言で、「次のご飯作りもがんばろう!」と思えるものです。
「Stay Home」で家族が揃って食べるいまだからこそ、食事を楽しい時間にするひと言を工夫したいものです。
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