「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!
職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)
2020/04/08 11:47
新型コロナウイルスの国内での感染例が報じられるようになって2か月あまり。最近は「コロナ疲れ、コロナうつ」などの声も聞かれます。
ちょっと咳が出たり、体がだるい日が続くと「もしかして、コロナに感染したのでは……!」と不安にかられます。そして、ひとたび感染・発症してしまったら、家族はおろか会社や学校にも多大な影響を及ぼすこともあり、国民全体に精神的な疲労がかなり蓄積されているのではないでしょうか。
そうした精神状態のなか、今まではお互いに会社や学校に行って、平日はともに過ごすことの少なかった家族が、外出自粛によって長時間顔をつきあわせるようになると、ちょっとしたひと言が争いの種になる危険性をはらんでいます。
私も結婚して間もないころ、こんなことがありました。
なんとなく体調が悪くて「ねぇ、私、なんだか風邪ひいちゃったみたいなんだけど……」と夫に言ったら、返ってきたのは「ふーん」とか「そうなんだ」とまるで関心がなさそうな言葉。このときばかりは「この結婚は失敗だった!」と心の底から思ったものです。
さすがに「どうして『大丈夫?』というひと言が言えないわけ?」と文句を言ったものの、返事を聞いた記憶がないのでたぶん黙って聞いていたのでしょう。ただ、それ以来私が「ちょっと具合が悪いんだけど」と言ったら「大丈夫?」「寝てていいよ」と声をかけてくれるようになりました。若干わざとらしさはあるものの、言ってくれれば気が晴れるものです。
さて、家族の心配をするのは主婦の専売特許ではありません。当然ながら、主婦だって具合が悪くなることはあります。
だから、もし妻が「ちょっと熱っぽいんだけど」と言ったら、すかさず「大丈夫?」と声をかけて、体温計を持って行ってあげるくらいはしましょう。
そして、自分に何かできることはないかと考えて、たとえば、「今日は朝ごはん僕が作るからゆっくりしていて!!」などと声をかけてあげたいものです。たったひと言でも、夫婦生活が10年ぐらいは円満に続くパワーはあります。
まかり間違っても「まさかコロナじゃないだろうね!」などと相手を責めるような言い方をしてはいけません。「この人は、私より自分のことの方が大事なんだ!」と、コロナ離婚にも発展しかねませんから。
いつコロナウイルスに感染してしまうかわからず、不安な毎日を過ごしているときだからこそ、家族の中で相手をいたわる言葉をかけあいたいものです。
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